6月7日、名古屋市中区で車の中に2匹の犬が放置されているのが見つかり、約4時間後に無事保護された。犬を車内に放置する危険性について取材した。

犬は法律上「財産」…許可なく連れ出すと窃盗罪に問われる可能性も

6月7日、名古屋市中区のコインパーキングで、軽乗用車の中に2匹の犬が放置されているのが見つかった。この日の名古屋の最高気温は25.2度。

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この軽乗用車はなぜか鍵がかかっておらず、警察官が時折ドアを開け、犬の体調を気遣った。そして警察官が駆けつけてから約4時間後、警察は保健センターと連携し犬を保護した。

車の鍵がかかっていなかったにもかかわらず、なぜ保護に4時間もかかったのか。名古屋北法律事務所の中島万里弁護士に伺った。

法律上、犬などの動物は「財産」となる。表現は良くないが「物」として扱われるため、持ち主の許可なく勝手に車の外に出すと、窃盗罪に問われる可能性がある。
そのため、駆け付けた警察官や市民も様子を見つつ、犬をフォローしながら飼い主を待つという手段しかとれなかった。

しかし、放置が確認されてから4時間を超えたため、このままでは危険だと判断し保護にあたった。

車内に犬を放置する危険性は? 汗をかけず熱中症になりやすい

この日の名古屋の最高気温は25.2度で、決して猛暑という気温ではなかったが、車内の暑さはどうだったのか、同じような状況でJAFが実験を行っていた。
実験は大型のSUV車と軽ワゴン車の2台で行われた。気温は約24度。温度計を設置して、その変化を見た。

計測をはじめたときは車内温度は25度だったが、10分経過しただけで7度以上あがった。1時間経過すると、軽ワゴン車は37.5度、SUV車は43.5度に。

JAFによると、気温が25度の夏日に届かない場合でも、日中に4時間放置した場合、車内温度は50度近くまで上昇するという。
そういった状況で車内に犬を放置する危険性を、名古屋市中区にある「おおやぶ動物病院」の院長に伺った。

おおやぶ動物病院の院長:
26度を超えてくると(犬は)もう暑いんじゃないかなと思う。汗を私たちみたいにべっしょりかいて、気化熱で体温を奪ってくれるということがないものですから。外気温を下げてあげないと体中にどんどん熱がこもってしまって、熱中症の症状を出したりする犬が多い

犬は汗をかく機能が備わっておらず、体内に熱がこもり、人よりも熱中症になりやすい。

おおやぶ動物病院の院長:
5月の7日8日の土日に、バタバタと調子の悪い犬が…。亡くなった犬も5月中に4,5匹おります

梅雨の時期はさらに注意が必要だ。湿度が高くなると、より体内に熱がこもり、熱中症の危険性が高まる。

2022年は、梅雨を押しのけるように猛烈な暑さが日本に襲来している。もし犬と一緒に車で出かけるなら、人間が少し寒いと感じるくらいのエアコンをかけてあげるのが、犬には一番望ましいとのこと。

(東海テレビ)

東海テレビ
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