愛媛県砥部町の「とべ動物園」にいる、ホッキョクグマの「ピース」。現在22歳で、国内の人工ほ育の最高記録を日々更新している。
誕生からのかわいい姿を、貴重な映像とともに振り返る。
この記事の画像(19枚)1999年に誕生 命の危険感じ…母親から離し人口ほ育に
1999年12月2日、とべ動物園に新たな命が生まれた。ホッキョクグマで、「ピース」と名付けられた。
出産時、母親の「バリーバ」は興奮状態にあった。ピースの命の危険を感じた当時のスタッフが、一瞬の隙を見て母親から離し、人工ほ育をしていくことに。
そして、ピースの母親代わりとなったのが、高市敦広キーパーだ。持病のてんかんと付き合いながらも、ピースは高市キーパーの元ですくすくと成長。その愛らしい姿で、とべ動物園の人気者となった。
テレビ愛媛の「EBC Live News」の人気コーナー「とべとべZOO」では、愛媛県立とべ動物園のさまざまな話題を伝え、6月で放送開始25周年を迎えた。ピースは、「とべとべZOO」のコーナーだけで、すでに100回以上も出演。そして高市キーパーも、これまで何度も「とべとべZOO」に出演していた。
懐かしの映像を、高市キーパーにあらためて振り返ってもらった。
初めての夏迎え…水に慣れるため毎日練習
まずは、2000年4月放送、泳ぎの練習中のピース。高市キーパーが一緒にプールに入り、ピースを誘導する。
とべ動物園・高市敦広キーパー:
ピースがいつまでたっても入ってくれないので、一緒に入ってミルクをプールの中で飲ませたり、色々とやりながら水に慣れてもらう練習してるところです。本来北極にいる動物ですからね。それを愛媛の暑い夏を過ごしてもらうためには、やっぱり水に入ってもらうっていうのは必須条件になると思いましたので、何が何でも慣れてもらわなきゃで毎日練習しました
こうして、初めての夏を迎えたピース。その後どうなったかについて、高市キーパーは「(2000年)7月5日くらいから、急にプールに慣れて入り出してですね、毎日上達していって、今もうダイビングしたり、中に沈んでいるものとか、潜ってとったりしますんで、完全に水には慣れたようです」と話していた。
ピースは生まれた翌年の夏、無事、泳げるようになった。当時の気持ちを、高市キーパーに聞くと…
とべ動物園・高市敦広キーパー:
良かったというよりも、ホッとしたというかね。これで夏もある程度大丈夫かなって、見通しが立ったって感じですね
「いてくれるだけで…」高市キーパーとの絆強く
さらに、こんな甘えん坊な姿も…。同じ2000年、8月の映像を見ると、高市キーパーの腕や手を、ペロペロとなめている。
「入ったらすぐ近づいてきて、ぺろぺろなめので、飽きるまではさせている」と話していた高市キーパー。1歳になるころまでには、おしゃぶりをやめさせたというが…
とべ動物園・高市敦広キーパー:
この名残が今でも残ってるんですけどね、口をチュッチュ、チュッチュって今でもするんですよ。子どものころの癖はなかなか抜けませんね
現在22歳、ピースは、国内の人工ほ育の最高記録を日々更新している。
とべ動物園・高市敦広キーパー:
マイペースでいいから、いてくれるだけでいいって感じです
(テレビ愛媛)