特殊詐欺の容疑者逮捕に協力したタクシー運転手の男性に感謝状が贈られた。男性が異変を感じた容疑者とのやりとりとは。
容疑者逮捕に協力 タクシー運転手に感謝状贈呈
燕警察署は6月27日、新潟・三条市に本社を置くタクシー会社の運転手・齋藤克巳さん(62)に感謝状を贈った。

齋藤さんが協力した事件とは…
飛田厚史アナウンサー:
タクシー運転手の男性が乗せたのは、詐欺容疑の男でした
5月25日午後9時ごろ、齋藤さんが燕三条駅前で乗せたのは17歳の少年。少年はタクシーに乗り込むと…
タクシー運転手 齋藤克巳さん:
「分水学校町(ぶんすいがっこうちょう)に行ってくれ」と言うところ、「“ふんすい”学校町に行ってくれ」と言った

行先の地名を間違った少年は、齋藤さんの運転で目的地に到着するといったん下車し、再び乗車した。その後のやりとりでも…
タクシー運転手 齋藤克巳さん:
その後、西蒲区曽根(にしかんくそね)を“にしうらくそね”と言い、向かい始めたところ、また「燕三条に戻ってください」と言った
さらに地名を間違えた少年。スマートフォンで誰かとやりとりしながら、次々と行き先を変更する。

何度も行き先の地名を間違える少年…運転手「怪しい」
タクシー運転手 齋藤克巳さん:
やっぱり気持ちがよくない
「何か怪しい…」そう思いながら、運転を続けた齋藤さん。午後10時半過ぎ、弥彦村の彌彦神社の近辺で少年が下車。そして…
タクシー運転手 齋藤克巳さん:
「今のお客さん、怪しい」と連絡した

齋藤さんは会社に連絡し、会社のスタッフが警察に通報。
署員が弥彦村内で少年を見つけ、捜査した結果、少年は燕市に住む70代と80代の女性からそれぞれ100万円をだまし取っていた疑いで逮捕された。
その後の調べで、犯行グループのメンバーが新潟県内の高齢者の息子を装い、「勤務する会社に損失を与えてしまった。100万円が必要だ」などと嘘をついて現金を要求。
少年が高齢者から直接、現金を受け取っていたことが分かった。
タクシー運転手 齋藤克巳さん:
逮捕につながり、よかった。怪しいことがあったら会社に連絡するなど継続して行いたい

少年は受け取った現金を所持せず…「別の人物に預けた」
少年は逮捕時に被害者から受け取った現金を持っておらず、少年は「だまし取ったあと、別の人物に預けた」と供述しているという。

新潟県内で相次ぐ特殊詐欺の被害。様々な監視の目が被害の減少につながるかもしれない。
(NST新潟総合テレビ)