山々の木々が輝く新緑の季節は、渓流釣りのシーズンだ。昨今ブームとなっている釣りだが、そんな釣り人たちの注目を集める「ルアー職人」が岩手県普代村（ふだいむら）にいる。
岩手めんこいテレビの細田啓信（ほそだ・たかのぶ）アナウンサーが、普代村に向かった。
渓流釣りに挑戦…川に合わせて作られた特別なルアー
ルアー職人の熊谷隆志（くまがい・たかし）さん（30）は、普代村生まれ。地元に工房を構えてルアーを製作しているほか、東北各地のフィッシングガイドなども務める。
まずは、熊谷さんが作ったルアーで渓流釣りに挑戦することになった。
細田啓信アナウンサー：
熊谷さん、きょうはよろしくお願いします。こちらはどういった川ですか?
クマタニトラスト・熊谷隆志さん：
普代村には普代川という川が流れているんですけども、その支流の茂市川です
細田啓信アナウンサー：
今回使用するルアーは、どういったルアーなんですか?
クマタニトラスト・熊谷隆志さん：
僕のブランド「クマタニトラスト」で作っているタイマグラっていう木でできたルアーです。市販されているルアーよりも、だいぶ小さく作っています。というのも川が小さく、釣れる魚も大きくないので、普代村に合わせて作ったスペシャルなルアーになります
細田啓信アナウンサー：
これに食いついてくることを祈って、今日はがんばりたいと思います
まずは狙ったところにルアーを着水させる「キャスティング」から。まずは熊谷さんに、お手本を見せてもらう。うまくルアーが入ったら、動きをつけて魚をおびき寄せる。川の様子を観察しながらの駆け引きは、渓流釣りならではの楽しみだ。
熊谷さんがキャスティングを初めてわずか1分後のこと、この日のターゲットであるヤマメが釣れた。美しい模様が特徴的なヤマメは警戒心が強く、動きは俊敏で初心者にはなかなか難しそうだ。
今度は、細田アナウンサーがヤマメ釣りに挑戦した。
クマタニトラスト・熊谷隆志さん：
ナイスキャスト! いいぞいいぞ! 追ってきている、追っている! ああ! 惜しい!
細田啓信アナウンサー：
すごい! きてました!
クマタニトラスト・熊谷隆志さん：
ナイスキャスト! 追ってたな。今のイイ感じです。OK! OK!
公務員を辞め“釣り”の世界へ…手作りルアーは即完売の人気商品に
開始から約50分が経過したが、細田アナウンサーに釣果はなし。ここで一息いれて、熊谷さんに話を聞いてみた。
熊谷さんは、子どものころから生まれ育った普代村で釣り三昧の毎日で、中学時代には、小魚に似せたルアー作るようになったという。
大学卒業後は村役場に勤めたが、「釣りを仕事に」という夢のため退職。ルアー工房を立ち上げた。
細田啓信アナウンサー：
以前は役場に勤めていたけれども、公務員を辞められたっていう事ですよね。やっぱり、このルアーには魅力があったということですか
クマタニトラスト・熊谷隆志さん：
そうですね。どうしても釣り業界で働きたいなという思いが、日に日にどんどん強くなっていって。それで意を決しました
熊谷さんは、ルアーを全国の釣り具店に出荷しているが、店に並ぶとすぐ売り切れるほどの人気。しかし、手作りのため月に50個ほどしか作れないという。
細田啓信アナウンサー：
今後、どういったものを作っていきたいか教えてください
クマタニトラスト・熊谷隆志さん：
まず、地域に根ざしたものを作っていきたいというのが第一にありますが、より釣れるルアーを作りたい。あと自分の釣れたルアーで楽しむことです。(私が作ったルアーを)手に取ってくださった方々が、実際に現場で釣りをして「釣れましたよ」と言ってくれたり、僕もピンと来たやつを、また新たな商品として展開していけたらなと思っています
ここで、ルアーフィッシングを再開することに。
フィッシング再開…細田アナ 初のヤマメゲットなるか
クマタニトラスト・熊谷隆志さん：
できる限り、上流に投げてください。上流の壁の方に向かって投げてください。多分釣れますよ。(魚が)100匹はいると思ってください
熊谷さんの指示通り、細田アナウンサーが上流に投げると、すぐに魚がかかり、釣りあげることができた。
細田啓信アナウンサー：
やった～!
細田啓信アナウンサー：
楽しい! ありがとうございます。ヤマメ釣りました! 最初のヤマメです。ルアーで魚との一対一の攻防、すごくエキサイティングで興奮しました。楽しかった
熊谷さんのルアーで、人生初のヤマメを釣り上げる事ができた細田アナウンサー。
ふるさと・普代村に“釣り”で産業を興すという、熊谷さんの挑戦は始まったばかりだ。
（岩手めんこいテレビ）
