新型コロナの感染が続く中、鹿児島県の相談窓口で問い合わせが増えているのが後遺症に関するもの。味覚や嗅覚異常にめまいなど、様々な症状に悩まされる人がいる中、5月から「コロナ後遺症外来」を立ち上げた病院が鹿児島・南さつま市にある。
どのように診察を行っているのか取材した。

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ウイルスが直接原因ではないかもしれない…

南さつま市のふくいわ耳鼻咽喉科クリニック。この病院では5月18日から「コロナ後遺症外来」を立ち上げた。

ふくいわ耳鼻咽喉科クリニック・福岩達哉院長:
どこを受診すればいいのか悩んでいる声を実際に聞いて、「後遺症外来」という名前を出したら患者も来やすいかなと

新型コロナを発症して2週間以上経過しても、味覚・嗅覚障害や目まいといった「感覚器症状」が続く患者が診察の対象。

人によって様々な症状が出るとされるこの後遺症。福岩院長は、ウイルスが直接の原因ではないものが多いのではと推測する。

ふくいわ耳鼻咽喉科クリニック・福岩達哉院長:
たとえばコロナにかかったことで、ずっと寝たきりになったり、動く量が減って家でじっとしたりという生活習慣が続くと、内耳性の目まい、三半規管が弱って目まいが出る人が多い。
「半年ぐらい味が分からなくて困っている」という患者もいた。コロナにかかって食が細かったという話もあったので、栄養摂取が足りなくて、亜鉛が下がって亜鉛欠乏症になって、味覚障害が出ていたことも推測できる

この病院での「コロナ後遺症外来」の診察は特別なものではなく、これまでも行ってきた診察の延長。

例えば嗅覚障害。内視鏡でにおいの通り道を診察するなどして、どこに「うみ」が溜まっているかを確認する。目まいの場合は、目の揺れのパターンをビデオで測定することで原因を探る。

ふくいわ耳鼻咽喉科クリニック・福岩達哉院長:
コロナっていう言葉で私たちも身構えるし、恐怖心もあるし、診察する側もハードルが高く感じるが、ウイルス感染というくくりで見ると、治った後はこれまでと同様の診療ガイドラインでやっていけば、十分対応できることも多い

まずは悩みを医師に打ち明けることから

専門外来を立ち上げて、まもなく1カ月。南さつま市外からも多くの問い合わせがあるそう。
コロナ後遺症外来が鹿児島県内で開設されたのはこれが初めてとみられていて、福岩院長は後遺症に悩む患者が医療機関にアプローチしやすい環境作りの重要性を訴える。

ふくいわ耳鼻咽喉科クリニック・福岩達哉院長:
医療機関を受診して診察しないとスタートラインには立てない。患者は医者に相談をぶつけてもらって、医者はそれに対するアセスメント(評価)をして、プランを立てる。ゴールまでたどり着ければよいことだし、それが私の目指すところ。
まずは悩みを打ち明けるところから始めてもらえれば

このクリニックの「コロナ後遺症外来」は完全電話予約制。まずは気軽に電話で、相談してほしいという。

ふくいわ耳鼻咽喉科クリニック
TEL:0993-53-3387

(鹿児島テレビ)

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