堺市の中学校に通う女子生徒がいじめが原因で不登校になり、1年後に自殺した問題。
いじめと自殺の因果関係は認められないという調査報告を「不服」として、女子生徒の母親が市に対し再調査を申し入れた。

「どうして親が出てくるの?」…ずさんな学校の対応

自殺した女子生徒の母親:
ぜひ再調査を行っていただきたく書きましたので、よろしくお願いいたします

担当者:
お預かりさせていただきます

娘を亡くした母親が、6月6日、堺市に「いじめ」をめぐる再調査を要望した。

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堺市では2018年、当時中学1年の女子生徒が部活動で「死ね」「うざい」と言われるなどいじめを受けて不登校になり、1年後、自宅近くのマンションから飛び降り自殺を図った。

堺市は、第三者委員会に調査を依頼。
その報告書によると、女子生徒は不登校のまま中学2年になったが、当時、担任はほとんど女子生徒と顔を合わせず、学校は国が義務付けているいじめの調査を女子生徒に対し実施していなかったなど、ずさんな対応の数々が明らかになった。

当時の教頭は取材に対し、「現場任せにしていた」と話した。

当時の教頭(2021年取材):
(いじめの)認知はできていたと思います。ただ、対応がまずかった
(Q.生徒の困りごとなど聴き取りはしたか)
学校としてはできていません。その辺も管理職としては全然把握をせずに、時間ばかりがたってしまった

母親は当時の学校の対応について…

自殺した女子生徒の母親:
「問題ないでしょ。子供同士のけんか・もめごとでしょ?どうして親が出てくるの?」という対応だった

第三者委員会は調査の結果、「いじめ」と「不登校」の因果関係については認めたが、「いじめ」と「自殺」との因果関係については「不登校に陥った時期と自殺した時期に時間的乖離(かいり)がある」などとして認めなかった。

自殺した女子生徒の母親:
絶対に、そこは私は絶対に解せないところではあります。1年間ずっとしんどくって、ずっと学校に行けなくて、でも何度も行こうとして…彼女は戦っていたんですよね、1年間。その答えが死を選んだわけで…
(Q.いじめがあって不登校になって、だから自殺したというのは揺るがないものか)
揺るがないです

「いじめと自殺の因果関係を認めて」母親の訴え

調査報告から約3カ月。
母親は、「いじめ」と「自殺」の因果関係は認められないという調査の結果を不服として、6月6日、改めて堺市に対し、再調査を求める要望書を提出したのだ。

さらに6日、問題が明るみになって初めて、市議会でも追及された。
「いじめと自殺は無関係なのか」と議員から問われると…

堺市教育委員会 長山秀基教育監:
いじめがなくなった後も不登校状態が長期間にわたって続いたことによりまして、「本人が孤独感を深め、追い詰められていった」と記載されており、自殺に至る状況に、いじめが原因となった不登校が、何らかの影響を与えた可能性は否定していないものでございます

また堺市の日渡教育長は、「いじめへの学校の対応が不足したことで不登校が生じた」と謝罪した一方で、自殺の責任については言及を避けた。

堺市の永藤市長は問題を受けて、いじめや不登校に対応する新しい部署を設置すると発表したが、女子生徒に関する再調査はしない意向をすでに示している。

自殺した女子生徒の母親:
なぜ子供は亡くなったんだろう。その責任はどこにあるんだろう。やっぱり恐怖の場のままにしていたらいけないと思うんです、もっともっと人間らしく優しく平等にあるべきだと思うんです、学校って。苦しかったという声を届けないといけないと強く思いました

子供を守るはずの学校で、守れなかった命。
2度と繰り返さないという姿勢が、今、問われている。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年6月6日放送)