全国で発生した火災の出火原因の第1位は、5年連続でタバコとなっている。タバコの小さな火種がどのようにして火災を起こしてしまうのか、新潟市消防局が実験を行った。

タバコの不始末で…出火の瞬間を再現

杉山萌奈アナウンサー:
タバコの先端の火種はとても小さいですが、中心部分は1000℃にも達することがあるといいます

タバコ火災に注意
タバコ火災に注意
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こちらはタバコが原因となり、2016年に長岡市で発生した火災の様子。寝室で吸ったタバコがベッドに燃え移ったとみられていて、住宅1棟が全焼した。

住宅1棟が全焼 タバコがベッドに燃え移ったとみられる
住宅1棟が全焼 タバコがベッドに燃え移ったとみられる

新潟市消防局は、タバコの火をよくもみ消さずにゴミ箱に捨てたり、吸い殻を山盛りになるまで灰皿にため込んでおいたりする不始末が、火災原因の特徴だとして、再現実験を行った。

【実験1】火をよくもみ消さず、ゴミ箱やゴミ袋へ

タバコの火が完全に消えていない状態でゴミ箱に捨てると、約15分後には…。

杉山萌奈アナウンサー:
ゴミ箱から煙が上がり、室内に充満しています。そして火災警報器が鳴り始めました

15分後に煙
15分後に煙

そのわずか1分後に出火。そして…。

ゴミ箱から出火
ゴミ箱から出火

杉山萌奈アナウンサー:
ゴミ袋からも炎が上がっています。瞬く間に燃え広がり、下のカーペットにも燃え移っています

ゴミ袋から出火しカーペットに燃え移る
ゴミ袋から出火しカーペットに燃え移る

【実験2】灰皿にため込んだ吸い殻 放置すると

全国で発生した火災の出火原因第1位は、5年連続でタバコ。

火災出火原因1位のタバコ(全国)
火災出火原因1位のタバコ(全国)

新潟市内でも2021年に1位となり、発生件数は14件で1人が死亡した。2022年は5月30日時点ですでに9件起きていて、前年を上回るペースだという。

2022年 新潟市で発生したタバコ火災は9件(5月30日時点)
2022年 新潟市で発生したタバコ火災は9件(5月30日時点)

では、吸い殻を灰皿に山盛りにした状態で放置するとどうなるのか。実験すると…。

吸い殻を山盛りにした灰皿
吸い殻を山盛りにした灰皿

杉山萌奈アナウンサー:
灰皿が割れ、吸い殻がカーペットの上にこぼれました

割れた灰皿
割れた灰皿

吸い殻がカーペットに飛び、引火する様子も確認できた。

カーペットに引火した吸い殻
カーペットに引火した吸い殻

警報器設置や始末の仕方に注意を

新潟市消防局予防課 杉本博一 消防指令:
この状況を放っておいたら火災に進展する。人に火災を知らせるためには、住宅用火災警報器しかない

火は風で大きくなるため、扇風機を使う機会も多いこれからの時期は特に注意が必要だ。

扇風機にも注意
扇風機にも注意

新潟市消防局予防課 杉本博一 消防指令:
タバコの始末は水をつけるなどしてしっかりすること。あとは吸い殻を灰皿にためない、歩きタバコはしない。注意してほしい

火災警報器を設置し、始末をしっかりしていれば防げるタバコの火災。改めて注意を。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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