「福島県いわき市に真っ黒な謎の物体が飛来してきた」。6月5日、福島テレビのツイッターに多くの投稿が寄せられた。物体は一体何なのか、その正体を追った。

目撃情報多数 大きさにビックリ

K-SUさん(Twitterより):
いわき市上空 なに?これ?

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そまさん(Twitterより):
上空を黒いポリ袋みたいな物体が浮かんで進んでいきました。だんだんしぼんでいき、西の方に消えていった

ルチャさん(Twitterより):
きのうはびっくりしました。一体何だったんだろう

夢夢さん(Twitterより):
なんか落ちてきた…なにこれw こわいw

謎の黒い浮遊物はこのあと落下。不時着後の画像も視聴者から届いていた。

ペガサスさん(Twitterより):
この位の大きさでした

2階の屋根をはるかに超えるほどの大きさ。電線に引っかかるように落下していて、停電や事故が心配になる。

るっこらさん(Twitterより):
いわき市上空を飛んでいた黒い物体は落下して、無事に回収されました

農業用の資材が「気球の実験」で…

福島テレビでは、この正体を探るべく調査を開始。

6月5日午後2時ごろ、福島テレビのツイッターアカウント「#空ネット」に黒い物体の投稿が次々届いた。寄せられた画像や動画が撮影された場所を時系列に見てみると、東から西へ移動していることがわかった。東風に乗って移動しているようだ。

地元の警察に取材をすると、次のようなことが明らかになった。

(1)いわき市内郷の道路に落下し、電線に引っかかったが停電や交通事故はなかった
(2)ある施設で気球が飛ぶかの実験をしていたら、上空に飛んでしまった
(3)畑の畝(うね)を覆うマルチシートで、10mの大きさを折りたたみ5mの風船にし、空気と少しのヘリウムガスを入れていた

晴れていれば黒い風船は温められ、もっと上に飛んでいたはずだった。しかし、5日はくもりだったので低空飛行。上空の東風に乗って、西の方に流れていったと推測できる。

さらに調べてみると、市内のある学校で「気球を実験してみたい」と生徒から要望があり、教頭立ち会いのもと実験をしていたことがわかった。

管理不足でヒモが外れて飛んでしまったといい、学校は「SNSの情報を見て落下地点を見つけ、警察に通報しました。ご心配をかけ申し訳ございませんでした」と謝罪。申し出てくれたことにより、不審物ではないことが判明した。

過去にも“黒い物体”が飛行

実は、2021年3月9日に福島市でも謎の黒い物体が飛んだ。

これも幼稚園で黒いバルーンの実験をして、飛んでいってしまったという。

気球の実験をする際は、停電や事故にもつながる可能性があるため、しっかりと管理をしてほしい。

(福島テレビ)

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