今年最大の政治決戦である参議院選挙が22日に公示される見通しで、与野党の戦いがスタートします。
「去年も国会議員を選ぶ選挙をしたばかりでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、去年行ったのは衆院選で、今回行われるのは参院選です。つまり、去年は「衆議院議員」を選ぶ選挙で、今回行われるのは「参議院議員」を選ぶ選挙ということです。
そもそも「参議院とは何なのか」「参院選はどうやって投票するのか」などについて説明したいと思います。
なんで衆議院と参議院と二つある?
日本の国会は、衆議院と参議院の2つで構成されています。
国会議事堂を正面玄関側から見て、左にあるのが衆議院で、右にあるのが参議院です。衆議院には465人、参議院には245人の議員がいます。

参議院は、明治時代に日本で議会制が始まった当初からあったわけではありません。帝国議会の時代は、貴族院と呼ばれ、皇族や華族などで構成される議院がありました。戦後、今の憲法が公布されてから貴族院に代わって参議院が誕生し、衆議院議員と同じように選挙で選ばれるようになりました。
そもそも、どうして衆議院と参議院と二つに分かれているのかですが、参議院のHPによれば「国民の様々な意見できるだけ広く反映させることができる」「一つの議院の決めたことを他の議院がさらに検討することによって審議を慎重に行える」「一つの議院の行き過ぎを抑えたり、足りないところを補ったりできる」と説明しています。
衆参の議員の給料は同じ? 色々な違いも
衆議院と参議院には色々な違いがあります。
まず当選した国会議員が何年間、国会議員でいられるかですが、衆議院議員が4年なのに対し、参議院議員は6年です。さらに衆議院のように「解散」することもないので、参議院議員は当選すると原則6年間、国会議員でいることができます。
また、選挙に立候補できる権利(被選挙権)は衆議院が25歳以上なのに対し、参議院は30歳以上となっています。
一方、国会議員の給料に当たる歳費は、衆議院も参議院もどちらも月額1,294,000円で同じです。(現在は新型コロナ感染拡大に伴い2割カット)

衆院と参院で逆の結論が出た場合は・・・
国会は法律を作るのが最大の仕事ですが、基本的には、まず衆議院で議論して過半数の国会議員が賛成し可決された後に、参議院で再び議論されます。その後、参議院でも可決されて初めて新しい法律が作られます。そのため、衆議院と参議院はほぼ同じ権限を持っていると言えますが、一部違うところがあります。
例えば、衆議院で可決された法案が参議院で反対の方が多く否決された場合ですが、再び衆議院で採決され、出席議員の3分の2以上が賛成すれば決定することができます。これは衆議院が参議院より任期が短く、「解散」もあることから、国民の意思により近いと考えられているためと言われています。
このように衆議院と参議院では様々な違いがあるわけですが、実は選挙の投票の仕方も違います。次回は参院選の投票の仕方についてお伝えします。
【執筆:フジテレビ政治部】
【イラスト:さいとうひさし】