5月8日（日）から、東京競馬場にて5週連続で行われるGⅠレース。
その第一弾は、3歳マイル王決定戦「NHKマイルカップ」（1600メートル）だ。直近10年間で3連単の配当金額が、最低で2万1180円（2021年）、10万円以上が7回と波乱が多く、そのうち最高額は2013年の123万5600円と、馬券の期待も高まっている。
当レースの注目馬を、過去の傾向やデータなどと共に紹介する。
世代の最前線へ！セリフォス得意のマイルでGⅠ初勝利？
3歳牡馬のセリフォス。戦績は4戦3勝。
その4戦すべてが芝の1600メートルで、3勝と、2着1回と抜群の強さを発揮。
昨年6月の新馬戦（中京）を勝ち、その後は8月にGⅢ「新潟2歳ステークス」（新潟）、11月にGⅡ「デイリー杯2歳ステークス」（阪神）と重賞で連勝、前走の12月GⅠ「朝日杯フューチュリティステークス」（阪神）も2着と安定している。
人気の中心になってくることが予想されるが、気になるのは東京競馬場でのレース経験がないことだ。また、今回は、福永祐一騎手(45)と初めてのタッグを組む。
このセリフォスには、最長間隔優勝記録の更新がかかっている。歴代のNHKマイルC優勝馬で前走からの間隔が最も長かった馬は、2014年ミッキーアイルの中70日だが、セリフォスは朝日杯FS以来、中139日。
ちなみに、今回出走するソネットフレーズ（牝馬、2戦1勝、横山武史騎手23歳）は、前走がデイリー杯2歳S(2着)の中175日なので、勝てばさらなる更新となる。
馬名セリフォスの由来は、「エーゲ海にある（ギリシャの）島名。母名（シーフロント）より連想」とある。
海に面する最前線の母名のごとく、世代の最前線へ躍り出ることはできるだろうか。
父は、NHKマイルC最多勝種牡馬のダイワメジャーで、2012年カレンブラックヒル、16年メジャーエンブレム、19年アドマイヤマーズと、ここ10年で3勝。GⅠ5勝の父を追い、初のGⅠタイトルを狙う。
なお今回出走する、もう1頭のダイワメジャー産駒は、GⅢ「シンザン記念」を勝っているマテンロウオリオン（牡馬）で、4戦2勝、2着2回。騎乗は横山典弘騎手(54)。
好調！ロードカナロア産駒×川田騎手 ダノンスコーピオンの野望
もう一頭の注目馬はダノンスコーピオン、3歳牡馬。戦績は5戦3勝。
昨年、デビューから2連勝のあと、12月のGⅠ「朝日杯FS」は3着。今年に入り、2月のGⅢ「共同通信杯」7着を経て、4月16日のNHKマイルCトライアルレースであるGⅢ「アーリントンカップ」を制した。
このダノンスコーピオンの重賞勝利を含め、今年、ロードカナロア産駒は種牡馬別のJRA重賞勝利数でトップの7勝を挙げている。2022年好調な血統だ。
さらに騎手では、ダノンスコーピオンに騎乗する川田将雅騎手(36)が5月7日現在、今年の重賞で4勝を挙げており、これは騎手別のJRA重賞勝利数で最多タイ（ ※横山和生騎手(29)も4勝）。
つまり、今年の重賞において最も好調な血統×騎手という組み合わせなのだ。
今回このレースに出走するロードカナロア産駒は、他に、アーリントンC3着のキングエルメス（牡馬、4戦2勝、坂井瑠星騎手24歳）と、昨年のGⅢ・サウジアラビアロイヤルカップ2着のステルナティーア（牝馬、4戦1勝、池添謙一騎手42歳）が登録されている。
馬名ダノンスコーピオンの由来は、「（馬主の）冠名+サソリ」。
3着だった朝日杯FSで、先着を許したセリフォス（2着）ほか、他馬を圧倒し、GⅠ初制覇でサソリの鋏の形のような“V”サインを決められるだろうか!?
2022年1番人気馬が未勝利のGⅠレース 今週は！？
先週の天皇賞（春）も1番人気ディープボンドは2着。
未だ1番人気の馬が勝利していないのが今年のGⅠレースだ。
2月20日：GIフェブラリーS・カフェファラオ（2番人気）
3月27日：GI高松宮記念・ナランフレグ（8番人気）
4月3日：GI大阪杯・ポタジェ（8番人気）
4月10日：GI桜花賞・スターズオンアース（7番人気）
4月17日：GI皐月賞・ジオグリフ（5番人気）
5月1日：GI天皇賞(春)・タイトルホルダー（2番人気）
冒頭に書いた通り、波乱の予感もする「NHKマイルカップ」。
今年のレースを制するのは、1番人気か、それとも…？目が離せない。
みんなのKEIBA
NHKマイルカップ・GI
5月8日（日）15時から生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html
