17日(日)に中山競馬場で行われる三冠レースの初戦「皐月賞」芝2000メートル。1939年に始まり、今年で第82回を迎える伝統のクラシック初戦だ。

3歳馬にとっては、距離ごとの世代最強を決める、生涯でたった1度しか挑戦できない最重要レースの一つと位置づけられる。

この記事では、出走予定の注目馬をご紹介していくが、中には「オニャンコポン」という名の馬もおり、一度聞いたら、なかなか忘れられないのではないだろうか?

その由来は後述するとして、この馬に乗り「皐月賞」最年少Vを狙うのが、4年目の菅原明良(すがわら・あきら)騎手、21歳だ。その独自取材による情報もお届けする。

最優秀2歳牡馬 “ドウデュース” 最強を証明する戦い

ここまで4戦3勝。昨年12月のGI「朝日杯フューチュリティステークス」では、3番人気で、直線のたたき合いを制し、無傷の3連勝で最優秀2歳牡馬に輝いた。

鞍上の武豊騎手は22回目の挑戦にして初めてこのレースを制し、「ホープフルステークス」を残して、前人未到のJRA平地GI完全制覇にリーチをかけた。

ドウデュース(2021年12月19日朝日杯フューチュリティステークス)
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さらに今年3月のGII「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」でのクビ差の2位を経て、デビューから5戦連続でドウデュースに騎乗する武豊騎手は、この「皐月賞」に勝てばクラシックレース最年長優勝記録53歳1カ月3日を樹立することとなる。

これまでの記録は、11年桜花賞をマルセリーナで制した安藤勝己騎手の51歳0カ月14日で、これを上回ることになる(皐月賞の最年長優勝記録は68年マーチスと制した保田隆芳騎手の48歳2カ月2日で、武騎手本人が生まれる前の記録を54年ぶりに更新することにもなる)。

ドウデュース

ドウデュースは、近日中に仏・G1「凱旋門賞(10月2日 パリ)」に登録する予定。

友道康夫調教師は「行くからには結果を出したい。まずは、ここ(皐月賞)で恥じないような結果を出して行きたい」と話した。

昨年皐月賞を制した横山武史騎手と共に…GI馬“キラーアビリティ”

ここまで4戦2勝。昨年、2021年最後のGIレースにして、2歳馬が出走する「ホープフルS」では、2分0秒6のレースレコードで快勝。今回の「皐月賞」で騎乗するのも、そのレースで初コンビを組んだ横山武史騎手(23)だ。

昨年の同レースをエフフォーリアで制し、2年連続Vを狙う。

キラーアビリティ(2021年12月28日ホープフルS)

横山武史騎手は、昨年「ホープフルS」を含めGI5勝を挙げ、まさに期待にあふれた若手ジョッキーの星だ。追い切り後には、キラーアビリティについて、その才能を高く評価した。

「相変わらずよく引っ掛かる。ただ能力はあるので、自分が思っていた以上にシュッと抜け出しました。抜け出したときに遊ぶ仕草があったので、それはちょっと課題だなと思いました。折り合いは相変わらず難しいので、そこをしっかり重点的に意識し、少しでもリラックスさせ、抑えられるようにしました」

キラーアビリティ

また、斉藤崇史調教師は、キラーアビリティが今年初レースとなることについて、こう語る。

「(ホープフルSからの直行は)2歳のときに4回使い、気性的にもピリピリしていたので、まずそれを抜きたかった。あとはダービーに向けても、ピリピリさせるより、休み明けで皐月賞に行った方がいいという話に(オーナー側と)なった。空いた4カ月休んで、リラックスして過ごせている。それはいい傾向だと思う。2歳でGIを勝って皐月賞に臨めるのは光栄なこと。それに恥じないレースをしないといけない」

珍名“オニャンコポン” 馬名の由来 そして菅原明良騎手の単独取材も!

馬名の響きだけでは、可愛らしい珍名だが、強くて実力のあるオニャンコポン。

その由来は、西アフリカ・ガーナの神と伝えられる「オニャンコポン」が、アカン語で「偉大な者」の意からである。

オニャンコポン(2022年1月16日京成杯)

さらに、田原邦男オーナーは、自身の所有馬のスタートがあまりよくないことが多く、「スタートを"ポン"と出て欲しい」という意味も込めたという。

その言葉通り、今回のGI「皐月賞」と同じ舞台で行なわれた1月の3歳重賞、GⅢ「京成杯(中山・芝2000m)」では6番人気だったが、絶好のスタートをきった。

さらに、それまでの先行策を捨て、道中は中団でレースを進め、直線に入り大外から豪快に差しきって勝利を収めた。

この皐月賞を占う重要な重賞レースで、新たな勝ち方を身に付けさせたのが、デビューから4戦(3勝)全てでコンビを組んできた菅原明良騎手だ。

菅原明良騎手

デビュー直後から、オニャンコポンの素質の高さを見抜いていた菅原騎手は13日(水)、競馬番組『馬好王国~UmazuKingdom~』のMC・神部美咲の単独取材で、こう語った。

神部:
オニャンコポンとすごく相性が良いと思うんですけど、普段はどんな様子ですか?

菅原:
すごく堂々としていますね。全然、若さを感じないです。

神部:
初クラシックへの意気込みは?

菅原:
初めて騎乗させていただくので、今までで一番緊張しているかもしれないですね。できるだけ意識しないようにはしているんですけど、やっぱりどうしても意識してしまってドキドキしているのは、あります。

神部:
前走の京成杯では、オニャンコポンを本命にさせてもらっていたんですけど…。

菅原:
あ、そうなんですね!

神部:
今回、人気を覆す走りや理由、強さのポイントは、ありますか?

菅原:
前走は控える競馬をして上手くはまってくれたので、今回も馬のリズムよく、あまり行き過ぎないで脚をためるような形で競馬をしようかと思っています。折り合いはスムーズにつくので、そこがいいところだと思います。

オニャンコポン

菅原騎手は、千葉県出身。4年目の21歳で、この皐月賞を勝てば、21歳1カ月6日の史上最年少優勝記録で、GⅠ初制覇を飾ることとなる。

ちなみに、これまでの皐月賞最年少優勝記録は、99年テイエムオペラオーとのコンビで制した和田竜二騎手の21歳9カ月27日で、23年ぶりの更新となる。

ほかにも先週のGI「桜花賞」を7番人気のスターズオンアースと共に制した川田将雅騎手が手綱をとる2戦2勝の無敗馬ダノンベルーガ。

さらに、同じく2戦2勝のイクイノックスは、昨年11月の前走・GII「東京スポーツ杯2歳ステークス」を桁違いの脚力で制して以来、中147日でこの「皐月賞」に出走。

勝利すれば、20年コントレイル(中112日)を抜いて最長間隔勝利記録を更新する。

実に、多くの3歳のスターホースが集結する。

この皐月賞から始まるクラシックレースは、日本ダービー(2400メートル・5月29日)、菊花賞(3000メートル・10月23日)へと続き、この3つを制覇すると、“三冠馬”と称される。

日本競馬の長い歴史においても、わずか8頭しかおらず、94年ナリタブライアン、05年ディープインパクト、11年オルフェーヴル、20年コントレイルなど競馬ファンならずとも一度は聞いたことがあるような名だたる名馬たちが名を連ねる。そこに加わるためには、まずこの初戦・皐月賞を制することが絶対条件だ。

直近のGIレースは、3週連続で、7~8番人気が勝利し大荒れの様相を呈している。

3月27日:GI高松宮記念・ナランフレグ(8番人気)
4月3日:GI大阪杯・ポタジェ(8番人気)
4月10日:GI桜花賞・スターズオンアース(7番人気)

混戦も予想される伝統の一戦から目が離せない。
 

みんなのKEIBA
皐月賞・GI4月17日(日)15時から生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html

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フジテレビスポーツ局が制作する競馬情報番組。毎週・日曜日午後3時より放送中。番組MC:DAIGO/佐野瑞樹/堤礼実 解説者:井崎脩五郎/細江純子 ※放送時間は変更される場合があります