新潟・新発田市に住み、相撲で世界一を目指している阿部家。この春、長女・さくらさんが下した決断と新たな挑戦を取材した。

次女の目標は“世界一”  ともに稽古に励んできた長女は…

3月、新発田市の加治川相撲教室。大人の胸を借りて稽古に励むのは、阿部家の次女・中学2年生の阿部ななさん。

阿部家の次女・ななさん
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これまでに全国大会を6度制覇していて、2021年には初段を取得した。

阿部ななさん:
初段を取得してうれしい。今の目標は世界大会で優勝したい

ななさんの目標は世界大会優勝

相撲で世界一を目指すななさんが相撲を始めるきっかけとなったのが、2歳年上の姉・さくらさん。

阿部家の長女・さくらさん

これまで6年間、阿部姉妹は稽古場でも、家でも、どんな時も一緒に練習を積んできたが、この日、さくらさんは稽古に参加せず、稽古に打ち込むななさんのサポートに回っていた。

6年間、練習を積んできた阿部姉妹

阿部さくらさん:
相撲をやりたいという思いは、ゼロではないけど

そして稽古が終わると、さくらさんは監督のもとへ。6年間続けてきた大好きな相撲をやめることを決意していた。

相撲をやめる決断をしたさくらさん

「何もできていない…」妹思いのさくらさん 今後はマネージャーに

阿部さくらさん:
やめる理由はケガが一番。少し稽古すると、次の日は歩けなくなっちゃったりとか

苦しめられたケガ

毎年のようにケガに苦しめられてきたさくらさん。ケガをするつらさは痛みだけではないようで…

阿部さくらさん:
妹の試合相手になったり、やりがいがあったけど、ふと「妹の何にもなれていない」。一番近くで応援していたはずなのに「何もできていないじゃん」と思っちゃって

妹との稽古に悩みも

大好きな妹の練習相手になれないことも、決断の理由の一つとなっていた。

(Q.相撲でのさくらさんの存在は)
阿部ななさん:
一緒に何でもやってくれる。どんなときも隣にいてくれるから心強かった

ななさんにとって、心強い存在のさくらさん

阿部さくらさん:
やめるのは悲しいとかじゃない。これからは別の形で携わるので

今後はマネージャーとしてななさんをサポートするというさくらさん。相撲を愛する気持ちにも変わりはない。

今後は、ななさんのサポートへ

女子相撲への思いを発表 新たな夢が広がるきっかけに

阿部さくらさん:
さくらの唯一の武器は、しゃべれることかなと思う

こう話すさくらさんは2021年の夏、ケガで相撲ができないときに中学生スピーチコンテストで、ある思いを作文にして発表した。

阿部さくらさん(スピーチコンテスト):
時代とともになくなりつつある男女の差。その中でも、今もなお男女の差が根強く残っているものがある。それは日本の伝統的スポーツともいえる相撲。私の妹は相撲がとても強い。男女混合の地区予選大会でも優勝した。でも、彼女には次の県大会の出場権は与えられなかった。今、私は問いかけたい。頑張っている女の子が悔しがる理由は性別であっていいのか

スピーチコンテストで作文を発表

女子相撲が置かれた現状について訴え、地区大会で優勝。県大会では優秀賞に輝いた。
このとき、さくらさんには“ある思い”が芽生えたという。

地区大会優勝、県大会では優秀賞

阿部さくらさん:
作文を読んだときに、「女子相撲のPRのほうがやりたい」と思った。すごく楽しいし

女子相撲のPRに興味

「相撲の楽しさを伝えたい」というさくらさん。将来的には演劇の脚本を手がけ、女子相撲を題材にしたいと夢を膨らませるが…

阿部さくらさん:
今は女子相撲の脚本を作ったとしても、ニーズがないというか。高校では演劇をやりたい

女子相撲を題材にした脚本を書くことが夢

この春、さくらさんは演劇に力を入れる県内の高校に入学。まずは高校で演劇を学ぶ。

阿部さくらさん:
次は選手ではなく、女子相撲のPRをやって、今自分の興味がある演劇も頑張りたい

女子相撲のPRをしながら演劇に挑戦

大好きな相撲をやめる大きな決断をした、さくらさんの新たなチャレンジが始まる。

(NST新潟総合テレビ)

記事 775 NST新潟総合テレビ

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