国連が掲げる持続可能な開発目標「SDGs」。おきなわフィナンシャルグループは、不要となったスーツを必要な人に届ける取り組みを始めている。

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まるでデパートの売り場 揃えたスーツは100着以上

並んでいるのは、100着以上ものスーツやビジネスシューズ。これから就職活動を始める学生に無償で提供されるものだ。

男子高校生と父親:
良いことだと思いますし、ありがたいと思いました

おきなわフィナンシャルグループで、SDGs関連の企画を担当する鈴木涼子さん。この日向かったのは…。

日本たばこ産業 沖縄支店 中川慎也さん:
弊社だけで7着くらい集まっていまして。スーツの他にも靴やネクタイ、小物類といろいろ集まっていますので、ぜひ使っていただけたらと思います

着られなくなったスーツや付けなくなったネクタイ、履けなくなったビジネスシューズは役目を終えて、タンスの奥で眠っていたもの。

グループをあげてSDGsに取り組むおきなわフィナンシャルグループでは、これらを就職活動を始める学生に提供する活動を始めた。

コロナ禍で経済的に苦しい学生たちへ

おきなわフィナンシャルグループ 鈴木涼子さん:
リユースという観点からも次の方に使っていただく、まだ着られるものを繋いでいくという観点も、環境にとっていい循環なのかなと思っています

使わなくなった衣類を必要とする人に届ける取り組みは、SDGsが掲げる17の目標のうち
「つくる責任・つかう責任」にあたるほか、「人や国の不平等をなくそう」の理念にも繋がる。

おきなわフィナンシャルグループ 鈴木涼子さん:
コロナ禍の中でアルバイトの収入がなくなったり、生活の面で大変苦慮している家庭も多い。何に支援できないかと始めたのがきっかけでした

2021年7月に初めて開かれた「お渡し会」には、2日間を通して80人以上が訪れた。

おきなわフィナンシャルグループ 鈴木涼子さん:
入学費用や引越し費用など、時期的に出費がかさむ中で「スーツの提供は大変助かる」と、保護者の方からの声もいただいています

年度末に合わせて開催する2度目のお渡し会に向けては、グループだけでなく沖縄県内でSDGsに取り組む企業にも声をかけた。

日本たばこ産業 沖縄支店 中川慎也さん:
どんな方でも、なかなか着ないリクルートスーツは一着はあるかなと思っていて。それを本当に必要とされている学生の方々にお渡しできるというのは、非常に素晴らしい取り組みだなと

多くの企業が賛同し、100着以上のスーツ、60本以上のネクタイ、ビジネスバッグなどが集まった。

「お金がない中、ありがたい気持ちでいっぱい」

訪れた人たちは、デパートの売り場のように並べられたジャケットやシューズを手に取り、サイズや色などを確認しながら自分に合うものを探していた。

来場者:
リクルート鞄を頂きました。アルバイトも減らされたり、全然出勤できなかったり。お金がない中で、こういう活動をしてくれて、ありがたい気持ちでいっぱいです

来場者:
サイズがなかなか最初合わなかったんですけど、いろいろ店員さん(行員)が教えてくれて、見つけることができました

来場者:
(自分も同じように)着なくなったスーツだったり、商品や物を「着たいな」と思っている人たちに提供できればと思いました

50人余りが訪れ、サイズのあったものを無償で受け取っていった。

おきなわフィナンシャルグループ 鈴木涼子さん:
今回もらった学生さんや就活生が、また次の方に譲りゆくという点では、SDGsの「作る責任・使う責任」にも繋がってくると思います。ご協力いただいた企業の皆さまが繋がったというのが今回の活動の成果だと思いますし、リレーションの中でまた次にできることが発掘されて、より良いSDGsが実現できる沖縄になれたらと。大きな夢なんですけど

役目を終えたものが再び誰かの役に立つ。不要になったものがあれば始められる、身近なSDGsの取り組みだ。

(沖縄テレビ)

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