2022年1月、愛媛・新居浜市でスタートしたサーモンの試験養殖。手掛けるのはなんと、地元の「電気設備会社」だという。
その熱い思いとチャレンジの様子を取材した。

電気設備工事から養殖へ...“異業種すぎる”一からのチャレンジ

2022年の年明け早々、新居浜市の漁港の岸壁に2台のトラックが入ってきた。
積まれているのは、大量の魚の稚魚。

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(Q.この魚は?)
西原裕也さん:

サーモンになります。今から新居浜の沖合いで、サーモンの養殖事業を始めたいと思います

納入されたのは、鳥取県の養殖場でふ化して、1年間淡水で育てられた、体長30cm・500グラムほどのサーモンの稚魚、約4,000匹。
海水に慣らしたあと、網ですくわれ、次々といけすに投入される。

西原裕也さん:
すごい。感動です

西原さんは、このサーモンを新居浜と大島の間の海で試験養殖して、2022年5月中旬に出荷する計画で、本格的なビジネス化を目指している。

実は西原さんの本業は、新居浜市内の電気設備工事を手掛ける会社「アイセイ電工」の社長。
もともと興味があった漁業で、ふるさと・新居浜を盛り上げようと、異業種からのチャレンジを決意した。

アイセイ電工 西原裕也社長:
地域の特産品を作れるようなものを作りたいと思いまして、第1次産業を始めたいと。今回初の試みということで、チャレンジしたいなと

“養殖に向かない海”での挑戦…予想外の敵に苦戦も

一見、無謀にも思える西原さんの熱い思いに応えたのは、みかんやチョコを使ったタイやブリ、サーモンなどの養殖を手掛ける「宇和島プロジェクト」。

宇和島プロジェクト 木和田権一社長:
そんなに簡単なものじゃないから、やめときなって言ったんですけど、今のわれわれのノウハウであったり技術であったり、生産者との連携であったりというのをあちらに持ち込めば、私は成功するのではないかと思って、今回サポートさせていただいています

海岸線がなだらかで風や波の影響を受けやすい燧灘(ひうちなだ)は、本来 魚の養殖には向かない海と言われている。
難しい燧灘での「養殖」に挑んだ西原さん。
その挑戦の決め手となったのは、波の影響を抑える防波堤の存在と、5月末まで18度未満に抑えられる、サーモンの養殖に適した水温。

県東予地方局水産課 薬師寺房憲課長:
いろんな魚種が宇和海と比べますと、燧灘の方が水温が低くて不利な要素が多いんですけど、サーモンというのは冷水性の魚ですので、燧灘でも養殖できると考えていますので、何とかこの地で養殖できる魚種だと考えています

養殖開始から10日。

アイセイ電工 西原裕也社長:
気は早いですけど、すごいいい方向だと思っています。順調にいっているということです

そう話す一方で、こんな悩みも抱えていた。

アイセイ電工 西原裕也社長:
カモメのフン被害が出るので。太陽光の電池のところなんですけど。自動給餌機の発電がされなくなっちゃうので、えさが止まっちゃうというカモメとの戦いです

予想外の敵に悪戦苦闘しながらも、サーモンの死亡率は2%ほどと極めて少なく、養殖は順調に進んでいる。

熱い思いで挑んだ養殖…その成果は?

養殖開始から2カ月。
この日、愛媛・東予地方局水産課の職員が、生育状況の確認に訪れた。
サンプルとして持参した5匹のサーモンの大きさを測ると...

計測する職員:
体長が355mm、1160グラム

アイセイ電工 西原裕也社長:
1kg超えてる。うれしい!

個体差はあるものの、大きいものは1kg超えで、まずまずの中間結果となった。

さらに、協力してくれる青年会議所のメンバーらと新居浜産サーモンを調理、味を確かめる。
この日、新居浜産サーモンで作った料理は、寿司やフライ、塩釜焼など4品。

試食したメンバー:
うま味がしっかりある。これだけ小さい個体でも十分おいしい

試食したメンバー:
うまい。おいしい。サーモンにしては弾力がありますね

アイセイ電工 西原裕也社長:
想像以上に身の出来とか、想像の倍を上回るような感じだったので、すごい良かったなと思っています。自分のやりたいことでしたし、ゼロから始めて、まだ道半ばですけど、やり始めて良かったと実感してます。
新居浜のサーモンとして、ひとつのものとして全国に売り出せるようなものになればいいと思っています

まだまだ気の抜けない日々が続くが、初出荷に向けて、サーモンとともに西原さんの夢も大きく膨らんでいる。

(テレビ愛媛)

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