小学校、中学校に続いて、高校でも新学期から「プログラミング」が必修となる。そのプログラミングを一足早く身に着け、楽しみながら学べるオリジナルのゲームを開発した鳥取市の高校生プログラマーを取材した。
プラスチックはゴミ箱と…ゲームでSDGsを学ぶ
放課後の鳥取西高校。教室でパソコンに向かっているのが「高校生プログラマー」安藤太亮さん(17)だ。

鳥取西高校 安藤太亮さん:
自分で考えて思うように動いた時は、すごくうれしくって。本当に動くんだと
「自然科学部」に所属し、オリジナルゲームの開発などプログラミングに取り組んでいる。
その安藤さんが開発したのがこちらのゲーム。

画面右からペットボトルや木片などのアイテムがランダムに流れて来る。これに合わせて、画面左にある「魚」「ゴミ箱」といったキャラクターを選び、得点をゲットしていくというもの。

鳥取西高校 安藤太亮さん:
流れてくるアイテムと自分のキャラクターが対応するように作られています。魚のキャラクターであれば、水が密接に関係しているから、これが得点につながる。ごみ箱はプラスチックを正しく分別・処分するという意味で、プラスチックに対応するように作られている

アイテムと選んだキャラクターの関連性が高ければ高得点に。ゲームを楽しみながら、同時にSDGsへの関心も養うのが狙いだ。
17歳にしてプログラミング歴5年…「知事賞」は3度目
安藤さんは2021年、このゲームを県内の小中高校生を対象にしたプログラミングコンテストに出品。応募14作品中、最高の「知事賞」を受賞した。

鳥取西高校 安藤太亮さん:
自分で楽しむだけではなくて、いろいろな人に影響を与えられるゲームを作れたらいいんじゃないかと思って、大会に出場しました。(知事賞受賞で)この大会に関しての目標は達成したつもりです

実は安藤さん、「知事賞」の受賞は前回に続いてこれで3度目。中学1年の時に、パソコン好きの友人の影響で、独学でプログラミングを習得。中学2年で初めて応募し、見事に「最高賞」に輝いた。
17歳にして既にプログラミング歴5年の安藤さん、素人目には一見しただけでは理解できない数式も…。

鳥取西高校 安藤太亮さん:
画面上はゆっくり流れていくように見えるけど、これは「流れて」という指示ではなく、「前の座標から少しずれたところに持ってきてね」という指示を繰り返しているんですね
きっちり解説してくれた。そんな“プログラミングLOVE”な安藤さんに、同級生は…
同級生:
休日もプログラミングの質問をして来たりする
同級生:
ゲームが完成した時に、目を輝かせて紹介していたのを見て、本当に好きなんだなぁと思った
若い世代がSDGs意識するきっかけになれば
安藤さんが今回のコンテストで意識したのが、持続可能な開発目標=SDGsの視点。

鳥取西高校 安藤太亮さん:
ゲームって楽しむもの。学習要素が丸出しだとゲームは楽しくなくなっちゃう。だから、学習要素を隠しつつ、ゲームを行っていくうえで自然と環境に目を向けられるようにした
技術だけでなく、ゲームを通じて環境問題への関心を高めるというアイデアが評価された。
鳥取県SDGs推進課・林公彰課長:
(SDGsの)普及・啓発の部分では行き届いたので、次は県民に実践していただく。SDGsを取り入れていただいたのは、非常にいい着眼点だと思います

鳥取県のSDGs担当者も、ゲームを通じて理解を深めるアイデアを称賛している。安藤さんのゲームは、今後「情報」科目の授業でも活用されることになっている。
鳥取西高校 安藤太亮さん:
若い世代の僕たちが環境に目を向けていれば、大人になった時に自然と目を向けるベースができる。(ゲームが)その心意気のきっかけになれば

将来はエンジニアとして、暮らしに役立つアプリを開発したいという安藤さん。これからもプログラマーとして挑戦を続ける。
(TSKさんいん中央テレビ)