子ども100人以上が犠牲 「ジェノサイド」と指摘

断続的にロシア軍の攻撃を受けるウクライナの首都キエフのビタリ・クリチコ市長が、日本時間3月17日夜、「めざまし8」の単独インタビューに応じました。日本のメディアからの取材に答えるのは初めてです。

取材に応じたウクライナの首都キエフのクリチコ市長
取材に応じたウクライナの首都キエフのクリチコ市長
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ビタリ・クリチコ市長:
私は何回も日本に行ったことがあります。京都に何回も行きました。日本が大好きで、日本を尊敬しています。

2016年9月来日したクリチコ市長 外務省HPより
2016年9月来日したクリチコ市長 外務省HPより

ロシア軍の包囲が進む中、最前線で市民に寄り添い続ける市長が、今起きている現実について話しました。

ビタリ・クリチコ市長:
キエフで起きていることを全部お話しします。キエフではジェノサイド(集団虐殺)が起きているんです。ロシア軍は民間人を殺している。毎日、民間人が亡くなって、子供たちも100人以上犠牲になっています。

ウクライナ非常事態庁より
ウクライナ非常事態庁より

攻撃の被害で死亡しているのが民間人だと明かし、それは首都で起きている集団虐殺であると語ります。

ウクライナ非常事態庁より
ウクライナ非常事態庁より

ロシアによる軍事侵攻が始まって3週間が経ちますが、首都をめぐる攻防は激化の一途。日本時間17日午後2時まで、キエフには35時間に及ぶ外出禁止令が出されていましたが、その間にもビルへの容赦ない砲撃。

非常事態庁より
非常事態庁より

さらにマンションには激しい炎。日本時間17日午後1時ごろ、ミサイルの破片が直撃したといいます。消防隊員は取り残された住民たちを懸命に助け出していました。

非常事態庁より
非常事態庁より

市長の怒りの矛先はプーチン大統領に…。

止まらぬ砲撃「プーチンは嘘をついている」 

ビタリ・クリチコ市長:
プーチンは嘘をついています。記憶を操作しています。安定した心を持っている人なら、こんな戦争は起こしてはいません。

日本時間17日夜 取材に答えるクリチコ市長
日本時間17日夜 取材に答えるクリチコ市長

明かしたのは、プーチン大統領のキエフに対する“嘘”について。

ビタリ・クリチコ市長:
キエフ市民はどこへも出たくありません。キエフを守りたいのです。私たちはここに住んでいるのだから。ここで私たちはひざまずくことはありません。私たちはただ自分の国を守っています。私たちを助けてくれる皆さんに感謝しています。

「プーチン大統領のウソ」と市長が指摘したのは、16日の発言です。

プーチン大統領:
キエフはロシアがロケットを撃ったと大きな嘘まで話していた。

キエフ側が受けた攻撃について、ロシアのロケットによるものだと発表。これに対し、プーチン大統領は「大きな嘘」だと主張したのです。

ビタリ・クリチコ市長:
私たちは、朝でも夜でも夜中でもミサイルの音を聞いています。毎日、建物を破壊しています。毎日、首都に砲撃がおきています。今は安全なところがないです。あちこちミサイルが落ちているので、どこでも落ちる可能性があるキエフの周りの小さな街も、連絡がとれなくて1000人以上亡くなった可能性があります。その街も破壊されました。

クリチコ市長によれば、小さな街ごと破壊されている場所もあるといいます。プーチン大統領は激しい言葉を使って、国の一体化を呼びかけています。

プーチン大統領:
誰でも、ロシア国民は“真の愛国者”と“クズの裏切り者”とを区別できる民族だ。裏切り者を、誤って口に飛び込んだハエのように吐き出す。このような人から社会を浄化することで、私たちの国が強くなる。

一方、停戦交渉をめぐっては、ウクライナのポドリャク大統領府顧問が「ロシアと食い違っている部分で合意するには、数日から1週間かかりそうだ」との見通しを示していますが、合意に至るかは不透明です。

リモート取材に答えるキエフ・クリチコ市長
リモート取材に答えるキエフ・クリチコ市長

クリチコ市長は日本人にこう呼びかけました。

ビタリ・クリチコ市長:
日本の人に一番大事なメッセージです。あなたたちはこの戦争を止めることができます。誰にとっても戦争は必要ありません。ウクライナで戦争が起きていますが、日本は関係ないと思ったら間違いです。今、私たちはいろんな国にひとつになってほしい。ウクライナは助けが必要です。

(めざまし8」3月18日放送)

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