紅茶といえば、インド・スリランカ・中国が世界の3大産地として知られているが、沖縄県内で作られた紅茶が国際的なコンクールで2つ星に輝き、世界的に注目を浴びている。
なぜ沖縄が紅茶の生産に向いているのか?新たな産業としての可能性を取材した。

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沖縄紅茶が世界的に高い評価を受けている理由とは

沖縄市に本社を置く「沖縄ティーファクトリー」。アールグレイやアッサムなどの定番の味に加え、コーンフラワーやハイビスカスといった様々な紅茶が並ぶ。

中でも「月夜のかほり」は、県内の畑で採れた茶葉のみを使用した商品で、世界中の権威あるシェフやソムリエが審査する国際コンクールで2つ星に輝いた。

生みの親は、紅茶のバイヤーとして流通に携わりつつ、自身もブレンダーとして商品開発を手掛ける内田智子さん。

沖縄ティーファクトリー 内田智子さん:
やっとここまで来たという気持ちと、もうひとつ上(3つ星)が目指せるので、まだ続けなきゃという良いお題を頂きました。紅茶は沖縄の武器になると思っています

なぜ沖縄の紅茶が世界的に高い評価を得ているのか。その理由に、沖縄の置かれた地理的な環境が大きく関わっていると話す。

「月夜のかほり」は、金武町にある約700坪の畑から生まれる。栽培されているのは「べにひかり」と呼ばれるアッサム種で、春先に向けて徐々に新芽が出始める。紅茶の木は粘土質の赤土で育てられている。

赤土は沖縄の土壌の約55%を占め、農業的には栄養に乏しく栽培できる作物は限られる。
しかし、この赤土が美味しい紅茶の生育には欠かせないと内田さんは話す。

沖縄ティーファクトリー 内田智子さん:
紅茶のアロマは抗酸化作用なので、抵抗する力ですから、豊かな環境よりもやせている方が
抗酸化作用が出る

本場スリランカでの言葉が沖縄で紅茶を作るきっかけに

本場スリランカで紅茶の基礎を学んだ内田さん。赤土が広がる現地で、人々が口にした言葉が強く印象に残っていると話す。

「肥沃な土はお金をかければ作れるが、赤土は神様にしか作れない」

沖縄ティーファクトリー 内田智子さん:
沖縄のパイナップル畑で赤土を見た時に、ここがアッサム種の産地になると。ただ、時間もお金もかかるからやめておけと、みんなに言われましたけど、一度思いついたことって頭から消えないですよね

抑えきれない紅茶づくりへの想いを胸に、内田さんは2000年から沖縄で紅茶作りを開始。試行錯誤を繰り返しながら、ようやく納得のいく味を生み出すことに成功した。

沖縄ティーファクトリー 内田智子さん:
私たちの努力や工夫を見抜いてくれるお客様がいる、それがやっぱり全ての支えで。(茶摘みの時期を)お客様が待って下さっているので、早く届けたい気持ちがスタッフもありますよね

「沖縄に紅茶を飲みに行く」そんな観光客が訪れる日を夢見て

内田さんの活動をきっかけに、沖縄での紅茶栽培の可能性にいち早く注目した企業もある。
名護市にあるカヌチャリゾートは、2017年から施設内で国内初となるリゾートでの紅茶栽培に乗り出した。

カヌチャリゾート  仲宗根幸司さん:
茶葉を収穫して、お客様に収穫から紅茶を自分で手作りして、テイスティングしていただくプランまで販売できるようになっています。カヌチャの紅茶に興味を持って、問い合わせが増えてきていますね。それを強みにして、もっと別の層をお客様として誘客していければと思っています

紅茶の名産地として徐々に認知されつつある沖縄。その魅力をより多くの人に知ってもらいたいと内田さんは話す。

沖縄ティーファクトリー 内田智子さん:
一番思うのは、そのままの沖縄が価値がある気がするんですね。そのままの強い紫外線、ミネラルの降る場所、やせた赤土、それが紅茶にとってはプラスになる。沖縄に観光にいらっしゃる色んな要因があると思うんですけど、沖縄に紅茶を飲みに行くみたなフレーズが入りだすと嬉しいなと思いますね

(沖縄テレビ)