ロシアによる軍事侵攻が続く中、シンクタンクによる“報告書”の存在が明らかに。めざまし8はその報告書をまとめたメンバーを独自に取材。1年前から「ウクライナ侵攻」が計画されていた形跡が見えてきました。

進軍の予測ルートと実際のルート“ほぼ一致”

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侵攻が始まる前の2月15日。この戦闘を予想していた18枚からなる報告書が「ある機関」によって発表されていました。その報告書のタイトルは “ウクライナ破壊の陰謀”。
報告書の一節には「ひとつはロフトフ州から西に移動しドネツクとルガンスクを攻撃する。」
「クリミアからも北上していく。」などロシアがウクライナへの侵攻を開始した場合の予測ルートが詳細に綴られていました。

ウクライナ内のロシアの支配地域や南のクリミアなど予測ルートと、実際の進軍ルートはおおかた一致します。 ロシア軍の侵攻を見通していたかのような内容。
この報告書を作ったのはイギリスの「王立防衛安全保障研究所」。1831年創立で安全保障分野のシンクタンクとして、世界最古といわれています。様々な分野のエキスパートが揃い、世界情勢の研究を行っているこちらの機関。
報告書をまとめたメンバーの1人である、ニック・レイノルズ氏を取材しました。

RUSI ニック・レイノルズ氏:
報告書をまとめるまで数力月間のリサーチを行っていました。
 

ウクライナの情報員などが得た情報をなるべく早く、多くの人に伝えるため、特別報告という形で発表したのだといいます。

彼らが、報告書で明らかにしたのが。

“ウクライナ侵攻“1年前から計画か 「最終的に占領することが目標」記載も…

RUSI ニック・レイノルズ氏
ロシアは、この侵攻を1年前から計画していました。
 

「2021年春、ロシアはウクライナ国境沿いの軍備増強を開始した」
「さらに、9月にあった演習後には、軍事配備を急速に拡大した。その規模は侵攻に必要な要素をすべて備えていた。」

“国境付近での軍事力強化”を試みる内容が報告書に記されていました。

RUSI ニック・レイノルズ氏:
今年初め頃にウクライナに行ったとき戦争が勃発するとは、はっきりしていませんでした。しかし、リサーチや聞き取りを行っているうちに、ロシアの通常と違う動きに気づきました。
 

ロシアが1年以上前から練り上げていたという、ウクライナ侵攻計画。

焦点のキエフ侵攻について、アメリカ国防総省が関係者に行った説明では「5日以内にキエフが陥落する可能性が高い」と分析していることがわかりました。

ロイター通信によれば、2月28日に撮影された衛星画像で、キエフ方面に向かう全長64kmにわたるロシア軍の車列が確認されています。アメリカ政府高官は、ウクライナ軍の抵抗にいら立ちを募らせたロシア軍が今後より攻撃的で、あからさまな作戦に出る恐れがあるとしています。

一方、ウクライナ側も、徹底抗戦の構えを崩していません。ウクライナ国旗を手にした一般市民に囲まれ、立ち往生するロシア軍の車列。今後この戦いはどのような決着を見るのでしょうか。報告書にはこう記されていました。

「最終的には、ウクライナを占領することが目標」

実際にロシアはこうした最終目標を隠し持っているのか。
再開されるとされる停戦交渉に応じる可能性はあるのか。
先行きは見通せません。

(「めざまし8」3月2日放送)