栃木県の那須どうぶつ王国で、新しい“アイドル”が誕生した。
「砂漠の天使」と呼ばれる世界最小級の野生ネコ・スナネコの赤ちゃんが、2月2日に3匹(オス2匹、メス1匹)生まれたのだ。那須どうぶつ王国のツイッターには、「カワイイのかたまり」「愛くるしいスナネコベビー」といったコメントが寄せられ、すでに多くの動物ファンの心を掴んでいる。
スナネコはアフリカなどの岩砂漠などに生息する体長約39~57センチ(+尻尾20センチ)、体重約2~3キロの世界最小級の野生のネコ。寿命は10~12年で、砂漠に溶け込む毛の色に、灼熱の砂から足裏を守るために、肉球を覆うように毛があるのが特徴だという。
そんなスナネコの赤ちゃん3匹は、この施設で飼育するシャリフ(オス)とジャミール(メス)との間に生まれた。ジャミールの出産は、2020年4月のアミーラ(メス)の誕生以降、今回で3回目となる。なお、アミーラ誕生について過去に編集部でも紹介している。
(参考記事:世界最小級「スナネコ」の赤ちゃんが国内で初誕生。“砂漠の天使”に胸キュン!生態を聞いた)
なお、生まれた時の体重は71~83グラムだったが、現在は約3倍になっているとのことだ。
また、3匹のうちオス1匹とメス1匹は、誕生当初に低体温などの症状が見られたため、一時的に人工哺育を行ったが、今は3匹とも母親のジャミールとともに元気に暮らしているという。
人間の匂いがつかないように人工哺育
そんな可愛らしいスナネコの赤ちゃんは、生まれてから3週間以上が経過し、すくすくと成長している。スタッフたちの努力があってこそだと思うが、ここまでの飼育にどんな苦労があったのだろうか。
これからについてと合わせて、那須どうぶつ王国の担当者に詳しく話を聞いてみた。
――ここまでの飼育で苦労したことは?
母親にまた戻すことを想定して人工哺育を行なったので、人間の匂いがつかないように徹底して行いました。
――この先、3匹の赤ちゃんの飼育で何が大変となるの?
雌雄両方がいるので、大きくなったら別々に管理をしなくてはいけなくなることです。
――これまで生まれたスナネコたちの飼育の経験は、3匹の赤ちゃんの飼育にも活かせそう?
母子分離をする際などのタイミングや人工哺育の経験は実際に今回生かせています。
母親は子育てで少し疲れ
――今後、名前はどのように決める?
一般公募で決める予定ですが、やり方については検討中です。
――お父さんとお母さんの様子は?
シャリフは1頭飼育なので、いつも通りです。ジャミールは、子育てで少し疲れているようにもみえるので、大きな物音をたてないなど、ケアして飼育しています。
この機会に他の動物にも興味を持って欲しい
――以前、取材したアミーラの様子を教えて。
元気に暮らしています。多くのファンがアミーラに会いに来てくれています。
――アミーラは他の動物園に移るという話もあるが、3匹の赤ちゃんと一緒に過ごすことはできそう?
一緒に生活することはありません。
――今後、スナネコの赤ちゃんを見に来る来園者に向けて一言!
今しか見られない可愛い姿をご覧ください。これをきっかけにスナネコや他の動物にも興味をもっていただけたら嬉しく思います。
同園によると、3匹のスナネコの赤ちゃんの公開は3月下旬頃を予定している。コロナが落ち着いているようであれば、足を運んでみるのも良いかもしれない。