岸田文雄首相は、21日の記者会見で、昨年春に政府が全国民に配布した布製マスク、いわゆる「アベノマスク」の在庫について、希望者に配布した後、2021年度中に廃棄する方針を表明した。
政府が2020年の春に全世帯に配布した、いわゆる「アベノマスク」は、2021年3月の時点で、約8200万枚の在庫が残り、保管費用が6億円以上かかっている。
岸田首相は会見で、「アベノマスク」にの配布について、「新型コロナの感染が拡大し始めたばかりの昨年の春は、多くの国民の皆さんがマスクが全く手に入らず、お困りだった」と状況を説明した。
そして「政府が布製マスクを全国民に配布するとしたことで、その後、マスクの製造・流通が回復し、今ではマスクの不足に対する心配は完全に払しょくされるなど、初期の目的は達成された」と意義を強調した。
その上で岸田首相は、「財政資金効率化の観点から、布製マスクの政府の在庫について、希望の方に配布し、有効活用を図った上で、年度内を目途に廃棄を行うよう指示した」と明らかにした。
保管費用などを巡り国会で批判が出た「アベノマスク」の在庫は、2021年度中に廃棄されることとなった。