迫害から逃れ、日本にたどり着いたとしても、日本はほとんどの人たちを「難民」として受け入れない。

NPO法人WELgeeの代表理事、渡部カンコロンゴ清花さんは「『難民問題』と言いますが、『難民』にもなれていない人たちがほとんど」と嘆く。

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「年間1万人くらい日本に来ていた年でも認定されるのは40数人。技術、特技を生かした外国人材として働くというビザが付与できたらもはや難民ではなくなる」

学生時代の経験がきっかけで活動

学生時代、バングラデシュのNGOなどで活動し、少数民族の迫害を目にした渡部さん。

帰国後の2016年、NPO法人WELgee(ウェルジー)を発足する。

スキルのある難民を「グローバルなビジネス人材」として育成し、企業に紹介するサービスを始めた。

マーティンさん(仮名)
マーティンさん(仮名)

27歳のマーティンさん(仮名)は、政府の迫害を逃れ、2019年にコンゴから来日。

母国で学んだIT技術が評価され、プログラマーとして中古車販売の会社に採用された。

逆境を乗り越える彼の存在は社員の刺激にもなり、人事担当者は「すごく勉強熱心で努力家な印象を受けています」と評価する。

マーティンさん(仮名)は「私の技術は顧客と関係を築き、求められる製品の提案に役立ちます。会社が国内外で広く知られ、発展していくことに貢献できます」と話した。

渡部さんは「祖国を諦めざるを得ないけど、自分の未来を諦めないと思った人たちが一歩踏み出せるかどうかは、出た先の社会にどんな仕組みがあるか、どんな人たちと出会えるかに大きく左右される。そういう社会の土台を作りたいなと思っています」と語った。

NPO法人WELgee
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