東京オリンピック・パラリンピックが開催された2021年も、Twitter上ではさまざまな投稿が話題となり、中には数万にも及ぶ人からリツイートされる“バズる”体験をした人がいる。

ただ、“バズりたい”という願望はあってもそうなるのは一握りで「実際バズったらどんなことが待ち受けるのか」は経験したものにしかわからない。

新たな年を迎える前に、今年バズった投稿者に当時体験したことや、気になるその後を聞いてみた。

小5息子が初めて一人で夕飯の準備

家族のご飯を作るとなると、献立を考えることから配膳まですべてをすることになる。大人でも簡単ではないと思うが、それを小5の息子さんが初めて1人でこなし、しかも出来栄えも見事だったという投稿が今年の8月に話題となった。

小5の息子が「よっしゃー!今日の夕飯はオレが作るわ!」とノリノリで夕飯の支度を全部やってくれた。今まで少し手伝うことはあっても料理の用意から配膳まで全ては人生初。 どうやらノリツッコミ待ちだったらしく「誰もつっこんでくれないから本当に全部作っちゃったよ…」と苦笑いしていた。

このコメントと共に投稿されたのは、彩り豊かに盛り付けられた冷やし中華、そして飲み物。さらに、デザートにプリンまでついた夕飯の写真。

提供:ひこちゃん
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投稿したのは漫画家で父親のひこちゃんさん(@YOTUGINOKO)で、冗談半分で息子さんに「夕飯お願ーい」と言ったことがきっかけだったそう。

息子さんもボケのつもりで「よっしゃー!今日はオレが作るわ!」と言ったようなのだが、誰もつっこんでくれず、結局、全部作ったというのだ。

(参考記事:小5息子「夕飯はオレが作るわ!」ボケのつもりが…初めて1人で作ることになった冷やし中華がお見事

この投稿に、「ノリツッコミ待ちで全部作っちゃうのは…天才かもしれない」「彩りもデザートまでバッチリな夕飯」「え、これで小五??」と驚きと称賛のコメントが集まり、12月下旬までに6万2000いいねを集めている。

提供:ひこちゃん

包丁の使い方も上手くなり、トンカツも作った

このとき、息子さん自身も楽しかったようで、前回の取材時には「今度は買い物から自分で選んで、でっかい肉を焼くか」と話していた。“人生初”の料理の後には、やる気も見せていたが、その後も作っているのだろうか?

バズった当時の様子も含めて、その後の家族の様子をひこちゃんさんに話を聞いた。


ーー取材後、息子さんは夕飯作りについて何か言っていた?

結構面白くてハマるかもと言ってました。マンガの「美味しんぼ」が大好きでその世界観に浸りながら楽しんでいるのかもしれません。


ーー何か変化はあったの?

包丁の使い方などもどんどん上手くなっていて、料理の作れる幅が広がってきたように見えます。
 

ホタテの身を剥く手伝いをする息子さん(提供:ひこちゃん)

ーーその後、夕飯を作ってくれた?

母親の買い物について行き自分でお肉から選んでトンカツを作っていました。普段母親が絶対買わない分厚いお肉を買ってご満悦でした。


ーー作っている様子はどうだった?

ネットなどで調べながら、分厚いお肉にしっかり火を通すために弱火でじっくりあげていました。私も料理が好きなので息子が料理に興味を持ってくれるのはとても嬉しかったです。

単純に普段食卓に出る機会がない分厚いトンカツを食べたかっただけかもしれませんが。味は抜群に美味しかったです。


ーー何か工夫をしていた?

トンカツのパン粉に自分で選んだ生パン粉を使用してました。これも美味しんぼの影響だと思います。初めてやったのに、パン粉の付け方などとても上手くてびっくりしました。色々見て情報として入っていたのかもしれません。


ーーとなると、その後に作った料理で美味しかったのは「トンカツ」?

はい、買い物について行き、自分で選んだ分厚いお肉を使って作ったトンカツですね。パン粉(生パン粉)にもこだわって、すごくおいしかったです。

一番バズったのは2020年投稿の「夏休みの自由研究」

ーーこの投稿が、過去一番バズったツイート?

冷やし中華の夕飯から一年ほど前、息子が夏休みの自由研究で作った「終業式の後の大量の荷物を一気に運べる人力車」というものをツイートしたところ過去最高のバズり(12月下旬時点で28万3000いいね)となりました。

終業式の後の大量の荷物を一気に運べる人力車(提供:ひこちゃん)

ーー他にもバズったツイートはある?

ケンタッキーをお土産に買って帰ると電話したら、電話越しに息子の拍手の音が聞こえた、というツイートをしたところ結構な反応をいただきました。

「いただきます」を言わないで食べようとした息子さん(提供:ひこちゃん)

反応をいただけることが何より嬉しい

ーーでは、息子さんが作った“冷やし中華の夕飯”の投稿が「バズった」と感じたのは、いつ?

いいねやリツイートの数値が、目の前でくるくると上昇しているのを目にしたときは「これか!」と思いました。


ーーそんな大きな反響に対してどう思った?

自分の描いたものがそれだけたくさんの人の目に触れているのだなと思うと単純に嬉しかったです。マンガ制作は結構孤独な作業なので反応をいただけることが何より嬉しいです。

ゲームに全集中しているときの息子さん(提供:ひこちゃん)

ーー取材はたくさんあったの?

4〜5つはあったかと記憶しています。今までそのようなこととは無縁だったので貴重な体験をさせてもらい息子に感謝です。


ーー「タレが半分しか入ってないんだ」と、後から明かされたエピソードがあったけど、他にも何かあった?

実は同じ冷やし中華なのですが、息子は付属のふりかけも一袋ぶちまけてしまったらしく、息子と私の分は一袋を分配した半分だということを、さらに後から聞きました。

提供:ひこちゃん
後で明かされた事実(提供:ひこちゃん)

ーーバズって嬉しかったや困ったことはある?

知り合いに「見たよ」といってもらえたりコメントなど反応をいただけたことですね。困ることといえばグングン上がっていく数字が気になってスマホを見る時間が格段に増えてしまうことです。


ーー印象に残っているコメントを教えて

ツイートを見ていただいた親御さんから「自分の娘の婿にきてくれ」というものがいくつかあったのが印象に残っています。全てに「お願いします!」とお答えしました。

射的をする息子さん(提供:ひこちゃん)

バズったことを息子の先生がクラスで紹介

ーーバズって、ひこちゃんさんには変化があった?

SNSを始めた時に一度バズってみたいと思っていて、「人力車」でその欲求が1回収まり、また今回の「夕飯」でも収まりました。でも定期的バズりたい欲求はムクムクと湧き上がってきます。

なかなか狙ってできるものでもないので「バズってやるぜ!」という感じではなく、「バズったらいいなー」ぐらいの感じです。バズると、やはり単純に嬉しいです。


ーーフォロワー数は増えた?

正直すごく増えました。2000人ほど増えたと記憶しています。マンガの作業のためなかなかツイートできない時期があったのですが、たくさんの方にフォローしていただいてます。


ーー疎遠になっていた友人からの連絡などはあった?

「見たよ」と久しぶりに連絡をくれる知り合いがいたり、やはりSNSは影響力があるんだなと思いました。


ーー息子さんは、バズったことで周囲に変化はあった?

学校の先生で見ていただいている方もいらっしゃるらしく声をかけてもらったり、先生からクラスの皆んなにツイートを紹介してもらったこともあったそうです。

ゲームセンターでテンションが上がり小躍りする息子さん(提供:ひこちゃん)

ーーバズった時、家族の反応は?

みんな喜んでますよ。家族の楽しみの一つになってます。


ーー家族には、何か影響があった?

やはり奥さんなども友達から連絡があったことがあるようです。
 

夏休みの宿題に追い込まれた息子さんの一言(提供:ひこちゃん)

ーーちなみに、またバズってみたいと思う?

もちろん!できるならずっとバズっててほしいです(笑)


ーーもしバズるならどのようなネタがいい?

その瞬間に面白いと思ったことや嬉しいことをツイートしているので意識的に狙うことはあまりないです。ネタというよりも瞬間を切り取る感じなので特にこだわりはありません。


ーー最後に、これから初めてのバズりを経験する人にアドバイスをお願い。

アドバイスなんて恐れ多いですが、私も含めてスマホの見過ぎには注意しましょう!就寝1時間前にはスマホを置いて夜はしっかり寝ましょう!


なお、このバズった投稿や「小4夏休みの自由研究」などのエピソードを収録した、ひこちゃんさんのコミックエッセイ「小学生男子は本日も晴天なり!」(1320円)が2022年1月6日に発売となるという。

「小学生男子は本日も晴天なり!」(提供:ひこちゃん)

ちなみに、前回の取材時に話していた“でっかい肉を焼く”はまだ実現していないとのことだ。この代わりが“分厚い肉を揚げた”トンカツだったのだろうか。

「結構面白くてハマるかも」と話していた息子さんは、その後、包丁の使い方なども上手くなり、料理の幅が広がっていた。味も抜群においしいとのことなので、今後の食卓にも息子さんの料理がたくさん並ぶことだろう。