長引く新型コロナの自粛生活の反動で高まりつつある、いわゆる「リベンジ消費」

内閣府が11月9日に発表した「景気ウォッチャー調査」によると、10月は55.5と9月の42.1に比べて13.4ポイント指数が上昇し、2カ月連続で景気が改善しているという。

この記事の画像(15枚)

街で「リベンジ消費」について聞いてみると…

20代女性:
20万円くらい美容系に。綺麗になれたらなという感じです

20代女性:
10万円以上、いいところに泊まりたい。ハワイに行きたいです

と、皆さんまとまったお金を使いたいと思っているようす。

リベンジ消費で高級品の売り上げが増加

こうした中、売り上げが好調だというのが…

イオンリテール株式会社営業企画本部長・伊藤竜也さん:
やはりここ数週間、いいものが売れるという傾向が非常に増えてきております

10月以前のバッグの売れ筋は数千円のものだったが、現在は1万円程度に上昇。宝飾品や腕時計の売れ行きもいいという。

そのため、イオンでは、ブラックフライデー(※アメリカで感謝祭翌日に行われるバーゲンセールの日 今年は11月26日)に向けて高級羽毛布団や国産ブランド和牛などの商品を取り揃えて予約を受け付けたところ、既に多くの注文が入っているという。(※「ご予約販売会」は地域によって実施期間・取扱い商品が異なる)

好調との声は、全国に店舗があるエステ店「エステティック ミス・パリ」からも…

エステティック ミス・パリ銀座本店コンシェルジュ・箕輪静瑠さん:
コースを追加するお客様が10月は非常に多くおられました。全国ですと9月と比べて大体4倍ほどの売り上げになっております

新規の来店など、客数も増えた一方、緊急事態宣言下だった9月と比べ、1人あたりの単価が3割近く上がったという。

旅行やライブハウスも好調

めざましテレビで、リベンジ消費の使い道を街で50人にたずねたところ、最も多かったのが旅行36人。続いてライブ・イベント11人だった。

実際、旅行会社JTBでは9月に比べ、10月は予約が2倍と急増。11月に入っても勢いは衰えないという。

旅行に関しては、こんな傾向も…

航空・旅行アナリスト・鳥海高太朗氏:
(国内旅行は)海外旅行に行くことに比べたら割安ということもあって、いい宿に泊まろうという動きが10月から11月前半にかけてみられます

11月9日取材すると、平日にも関わらず混み合っていた都内のライブハウス「下北沢ERA」。

ライブハウスの20代男性客:
コロナ前は本当に月1回行くか行かないかだったが、今は週1回爆発的に行っていますね

さらに…

ライブハウス下北沢ERA・久保寺豊店長:
物販でCD買ったり、Tシャツ買ったりするのも見受けられて、久しぶりに来たからこそリベンジ(消費)したいというのをすごく思います

約7割の企業が「忘年会なし」と回答

さまざまなところで見られる「リベンジ消費」の盛り上がり。しかし、その一方で東京都の認証を受けて営業する銀座の居酒屋から嘆きの声が…

銀座升本・三保谷建介さん:
現状、年末年始予約は1件と非常にさびしい状況。今後どうなるか非常に不安な気持ち

客足は戻りつつあるものの、期待していた忘年会などの予約が不調だという。

東京商工リサーチが8174社の企業に今年度の忘年会・新年会について調査した結果、約7割の企業「開催予定がない」と回答。

今後の見通しについて専門家は…

第一生命経済研究所首席エコノミスト・永濱利廣氏:
消費ができない分、家計の貯蓄が20兆円以上積み上がっている。それなりの回復は期待出来るとは思うが、経済政策が追加されないと、もう1度コロナ前と同水準に盛り上がるのは難しいのでは…

(「めざましテレビ」11月10日放送分より)