富山県南砺市が地域おこしの一環として、高校生に1000万円を託した事業。10月23日、高校生が企画運営したイベントが開かれた。コロナ禍で学校行事も縮小する中、青春を取り戻そうと奮闘した生徒たちに密着した。

市町村合併から16年 高校生たちが一丸

南砺市の里山にある施設、桜クリエなどで開かれた「アオハル祭 inハロウィン」。

生徒:
焼きそば、ポップコーンいかがですか?いかがですかー!

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みんなで楽しめる文化祭をと、南砺市の3つの高校に通う生徒31人で結成したプロジェクトチーム通称「ボクなん」が企画した。(正式名は「(仮称)ボクたち高校生がナントを魅力的にしようと立ち上げたプロジェクトです。」)

訪れた人:
すごくいい。若い子たちが頑張っていて

訪れた高校生:
楽しい。(イベントを見て)頑張りたいと思った

実はこのプロジェクト、市町村合併から16年の南砺市が、そのころに生まれた高校生に1000万円を託し、自由な発想で市を盛り上げてもらおうと始めたもの。

1000万円は「ZOZOTOWN」創業者の前澤友作さんからのふるさと納税による寄付500万円に、市が500万円を加えた。

実行委員のメンバーは6月から話し合い、まずはプレイベントを開催することに。準備や交渉をするのも高校生たちだ。

9月2日、市長室に実行委員がイベント前の報告に訪れていた。

南砺市・田中幹夫市長:
市民も、みんなを応援したいと思う気持ちが強いので、うまくみんな巻き込んでいきながら、楽しいイベントになるといいね

「ボクなん」実行委員:
準備する過程でも自分たちが成長できる場面があって、すごくいい機会になっている

「ボクなん」実行委員:
アオハル(青春)を取り戻せるように、私たちも楽しくて市内の高校生も楽しめるように。みんなで楽しくなれるようにしていきたい

このプロジェクトには、南砺市としても「人口減少」に歯止めをかけたいという狙いがある。

生産活動の中心となる15歳から64歳の人口は、ここ10年で約7000人減少。この活動を通じて将来、南砺市に戻ってきてくれる若者を増やしたいと考えているのだ。

まるで学園祭「みんなの笑顔が見られた」

実行委員の思いが詰まった「アオハル祭inハロウィン」は、多くの高校生や家族連れで賑わった。

ハロウィーンにちなんで、小物や衣装を用意して仮装して自由に撮影できるブースを作ったほか、スタンプラリーでは1つ1つ柄の違う手作りハンコを作るなど、高校生らしいアイデアが詰まったイベントになった。

また、コロナ禍で発表の機会が減った高校生の部活を応援しようとステージイベントが設けられ、吹奏楽や合唱、ナギナタ、ダンスなどが披露された。

さらに、田中市長は応援団長として、メンバー手作りのプリンセスの衣装で会場を盛り上げた。

南砺市・田中幹夫市長:
ビックリしました。まさかのお姫様。高校生がゼロから立ち上げて何かをやろうと、南砺市全体を巻き込んで動いてきてくれたので、OBになったり、OGになったりしても、みんなが街づくりに参画してくれたらいいなと思っている

「ボクなん」実行委員:
大きな学園祭みたいで楽しい

「ボクなん」実行委員:
うれしい。(みなさんの)笑顔が見られてよかった

「ボクなん」実行委員:
(2022年3月の)本番は、富山県全部の高校生とか大学生など、もっと大勢の人に来てもらって楽しめたら。次も、もっとよくなるように頑張りたい

訪れた高校生も、実行委員のメンバーも、みんなキラキラとしたいい笑顔を見せていた。

今回は1000万円の一部を使ったプレイベントだが、2022年3月には集大成として、さらに大きなイベントを予定しているという。

(富山テレビ)

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