8月15日で終戦から80年です。

戦争を直接知る世代が減少し、記憶の継承が課題となる中、富山市で戦没者追悼式が開かれ、参列者が先の戦争で亡くなった人の霊を慰め、平和への誓いを新たにしました。

富山市の県民会館で開かれた戦没者追悼式には先の戦争で亡くなった人の遺族などおよそ350人が参列しました。

冒頭、新田知事が式辞を述べ、反戦と平和実現への決意を新たにしました。

*新田知事       
「ご遺族の深い悲しみに思いを致すとき、今なお悲痛の念が胸に迫ってまいります。悲惨な戦争の体験と記憶を風化させることなく、その教訓を胸に刻み、悲劇を二度と繰り返さないよう、次の世代にしっかりと語り継いでいくことこそ、今を生きる私達に課せられた重要な使命。」

戦没者は、全国で310万人、県内は、3万765人、終戦の日のきょうは日本武道館をはじめ、各都道府県で追悼式が開かれ、正午の時報に合わせて全国一斉に黙とうが捧げられました。
  
富山の追悼式に参列した遺族の平均年齢は80.27歳と今年初めて、80歳を超えました。

追悼の辞を述べた県遺族会の山本甚克会長は改めて、戦争の記憶の継承、その大切さを訴えました。

*県遺族会 山本甚克会長
「遺児に平均年齢は84歳と会員の減少が著しく進んでいる。戦争を直接知らない世代が多数を占めるようになった。改めて戦争の悲惨さ、平和の尊さを次の世代に継承していかなければならない」
 
式典に参列した富山大空襲を語り継ぐ会の西田亜希代さんです。

今年90歳になる父親と高校生の娘の親子3世代の語り部として活動しています。

*親子3世代語り部富山大空襲を語り継ぐ会 西田亜希代さん 
「私たちは家族の経験を引き継ぐという活動を始めたばかりだが、他の人の体験、もしくは遺族が残した80年の記憶を同じように継承していかなければいけない」

終戦から80年、そして、いつかは訪れる戦争体験者のいない時代、その時代が戦争のない時代であることを願わずにはいられません。

*戦争で父と叔父を亡くす参列者(87)
「改めて平和は何よりも必要で大事なことだと思う。生きている間に二度と戦争が
起きないことを願っている。」

*戦争で父を亡くす参列者(83)
「外国でも戦争が起きているが、絶対に戦争は起こしてはならないということを、遺児として叫びたい。」

*戦争で父を亡くす参列者(83)
「絶対戦争したらあかん。特攻に行った人の家族、こういう不幸な境遇の人をたくさん作ってはいけないとしみじみ思う。」 

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。