マンションに侵入し女性暴行 元不動産会社の男に懲役23年の判決
オートロックのマンションに侵入して1人暮らしの女性を相次いで乱暴するなどした男の裁判員裁判が、10月20日福岡地裁であり、強盗・強制性交等や住居侵入、窃盗などの罪に問われた原鉄平被告(38)に懲役23年の判決が言い渡された。原被告は元不動産会社の社員で、仕事で知っていた暗証番号を使ってオートロックを開けたり、1人暮らし用のマンションだと分かったりした上で犯行を繰り返していた。
あわせて5回にわたる犯行の内、4回はおととしから昨年の3ヶ月半の間に集中していて、1人暮らしの女性宅に侵入して用意していたナイフや結束バンドを使って暴行し、現金やキャッシュカードを奪っていた。
判決では被害者がいずれも心に深い傷を負っていて、被害者のひとりは「時が経っても恐怖は消えず、未だに夢にでてきて恐怖の中で目覚める」と話し、別の被害者は「あのまま殺されていたら良かったいう思いや自殺願望があり、お金や健康だけでなく、時間や仕事、交友関係、プライド、すべてが奪われた」と話しているとして、裁判長は「不動産会社勤務の知識を悪用した計画的犯行で、酌量の余地はない。20年を超える長期の実刑を免れない」とした。

被告はオートロックの暗証番号を使ったほか、住人の出入りを利用して侵入したり、非常階段の出入り口を使ったりしていた。そしてマンション内に入った後はカギがかかっていない部屋を探し回っていて、5件の犯行とも無施錠のドアから侵入していた。
窃盗の侵入手口は半数前後が「無締まり」
警察庁のまとめでは昨年、マンションや住宅に侵入した窃盗事件は全国で2万1000件あまり、1日当たりおよそ58件発生している。侵入の手口をみると半数前後が「無締まり」で、侵入口は4階建て以上のマンションでは6割近くが玄関の出入り口となっている。


また防犯カメラの普及やコロナ禍で人出が減ったことなどでひったくりや空き巣などの刑法犯全体の発生件数は減少傾向にある中、強制性交等事件は昨年、全国で1300件を超え、4年連続で1000件を超えている。

このようにオートロックといえども住人や宅配業者と一緒に中に入ったり、別の出入り口から侵入したりするなど抜け穴は多い。またほかの居住者が事件に関わっている場合もある。こうしたことからもオートロックを過信せずに、玄関の戸締まりをすることは有効な防犯対策になる。
2020年、東京・中野区のマンションで元交際相手の男に女性が殺害された事件では、男は2階のベランダに脚立であがり、無施錠の窓から侵入していた。

性犯罪から身を守る対策
警視庁では性犯罪から身を守る対策として次のことをあげている。
(室内)
・玄関ドアや窓に補助錠を取り付ける
・オートロックのマンションでも必ずドアに施錠する
・高層階の部屋でも就寝時は窓を施錠する(屋上などから侵入の可能性も)
・窓を開けるときはベランダや庭に人がいないか確認する


(玄関)
・後ろから押し入られないようにドアを開けるときは周囲を見回す
・外出するときはドアを開ける前にインターホンやドアスコープで確認する
・家に入ったらすぐにカギ、ドアガードをかける
・宅配便はドアガードをかけたまま送り主を確認する
(エレベーター)
・乗る前に周囲に人がいないか確認する
・非常ベルや各階のボタンを押せる位置に壁を背にして立つ

都内でも昨年、231件の強制性交等事件が発生したが、比較的人目を避けやすい4階建て以上のマンションでの発生が4分の1を超えていて、午前0時頃をピークに深夜から未明の発生が多発している。


警視庁生活安全総務課の担当者は「ドアや窓を無施錠にするなど油断するとそこを狙う犯人もいるので、施錠などしっかりと対策をとってほしい」と日頃からの警戒を呼びかけている。
