昭和時代の初期の食事を再現した弁当が、ネットで密かな注目を集めている。

容器には九州産の白米が敷き詰められ、その上にはおかずとして、国産の真イワシ、宮崎県産の大根を使ったたくあん、福岡県産の梅で作った梅干し、昆布の佃煮が乗っている。

こちらが新メニューのお弁当「昭和初期」
こちらが新メニューのお弁当「昭和初期」
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この弁当の名前は「昭和初期」。価格は215円(税込)で、宮崎県のスーパーマーケット「ナガノヤ」「ウメコウジ」の計10店舗で、10月1日から発売しているという。

ナガノヤ・ウメコウジの公式Twitterで販売が告知されると、食材のシンプルさとネーミングセンスが話題に。「こーいうの結構美味いんよなぁ」などの反応が寄せられた。

まさにシンプル・イズ・ベストといった印象だが、どうしてこの弁当を開発したのだろうか?

ナガノヤ・ウメコウジを運営する、株式会社永野(宮崎市)の担当者に聞いてみた。

実は売れなかった弁当のリメイク作品

――「昭和初期」の発売経緯を教えて。

実は以前に似たようなものとして「昔懐かし弁当」「昭和初期弁当」を販売していました。昔懐かし弁当→昭和初期弁当の順番です。昭和初期弁当は全く売れなかったので、すぐに販売中止になりました。昭和初期はこれらをリメイクしたものです。

2019年に発売した「昭和初期弁当」
2019年に発売した「昭和初期弁当」

――中身は違うようだが、どうして売れなかった弁当をリメイクした?

以前の弁当には卵焼き、魚肉ソーセージ、干物や梅干しなどが入っていました。ですので、昭和初期は具材が減っていますね。2019年に昭和初期弁当を発売したとき「魚肉ソーセージは昭和初期にないのでは」という指摘があったので、昭和初期により近づけてみました。


――昭和初期はどんなイメージで開発した?

昭和初期のお弁当に入ってそうなおかずをイメージして盛り付けておりますが、完全再現というわけではございません。


――開発でこだわったところや工夫したところは?

できるだけ国産の食材を使い、添加物を減らすようにしました。

注目を集めたとしても、あまり売れない予感しかありません

――昭和初期の弁当としての魅力を教えて。

ダイエット中の方、油物を控えたい方には魅力的かもしれません。日本人に生まれて良かったと思えるようなお弁当だと思います。


――どんな人が購入している?

年齢に関係なく、幅広いお客様が購入されている印象です。ダイエット中の方も購入しているかもしれません。


――昭和初期の販売数は?他の弁当との反応に違いはある?

1日全10店舗で200パック限定で販売しています。反応に違いはありません。


――店舗では他にどんな弁当は販売している?お気に入りはある?

天孫降臨マジ卍弁当、タンクトップで皆勤賞、牛サガリ女学園、かんにん弁当、カセットの基板フーフー豆腐、グーはヤメレ、ニシメックス3、爆音イナリーランドなど、120品以上もあるので選びきれません。

ユニークなネーミングセンスのお弁当ばかり
ユニークなネーミングセンスのお弁当ばかり

――昭和初期が注目を集めたが受け止めは?

注目を集めたとしても、あまり売れない予感しかありません。売れるのであれば頑張って作りたいと思います。
 

販売予定の「昭和初期2」
販売予定の「昭和初期2」

なお、ナガノヤ・ウメコウジのTwitterによると、白米をもち麦玄米ごはんにするなど、マイナーチェンジした「昭和初期2」も販売予定だという。

売れ行きが良くなかった「昭和初期弁当」のリベンジのために開発された、「昭和初期」シリーズ。ネットで注目を集めたが予感は当たってしまうのか。他の弁当を含め、今後に注目したい。

(画像:ナガノヤ・ウメコウジの公式アカウントより)

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。