故郷の海のガイドを続けて16年…シーカヤックツアーガイドは3人の娘のママ

三重・志摩市に、3人の娘を持つ、シーカヤックのママさんインストラクターがいる。この46歳の女性は、カヌーを漕いで湾内を巡るツアーを通して、故郷・志摩の海の魅力を伝えている。

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三重・志摩市のリアス式海岸が美しい英虞湾。ここで豊かな自然を満喫できるアクティビティが、「シーカヤックツーリング」。カヌーを漕いで湾内を巡るこのツアーは、気軽に自然体験ができるとファミリーを中心に人気だ。

男性客:
楽しいですね。心が洗われます

このツアーのガイドの西井要さん(46)は、故郷の海のガイドを16年務めながら3人の娘を育てた現役のママさんだ。

英虞湾の中心に位置する大王町にある、西井さんがガイドを務める施設「志摩自然学校」。ここでは1年を通じて自然の魅力を体験できる、様々なプログラムを開催している。

中でもシーカヤック・ツアーは、一番の人気だ。

西井さんは、6人のスタッフのリーダーとしてチームをまとめ、プログラム作りと安全管理を担っている。

きっかけは後輩からの誘い…育児をしながら働き、4年で現場の責任者に

大王町で生まれ育った西井さんは、子供の頃は海が遊び場だった。高校卒業後に就職し22歳で結婚。3人の娘さんを授かる中、30歳の時に高校の後輩からシーカヤックのガイドの誘いを受けた。

西井要さん:
海は小さい頃から育った場所なので、私で役に立てるものなら…。日焼けが気にならないのと、体力がある2つだけで後輩に呼ばれた状態だったので…

志摩自然学校が開校した平成17年に、シーカヤックのインストラクターとして採用された。働く場所は子供の頃から遊んでいた英虞湾だったが、カヤックの経験はなく、ゼロからの出発だった。

当時の現場は、男性中心で女性は西井さんだけだったが、「JRCAカヌー認定指導員」など様々な資格を取りながら経験を積んでいった。

西井要さん:
(オールは)重いです。この本数が限界ですね。男性のスタッフは倍持ちますけど。力仕事が多い

育児をしながらがむしゃらに働いた西井さんは、仕事を始めて4年後に現場の責任者を任されるようになった。

参加者のライフジャケットを入念にチェック…「シーカヤックツーリング1時間半」がスタート

英虞湾にある「次郎六郎海水浴場」。

西井要さん:
基本的には車で来れない場所なので、(自然学校の)体験のご予約の方だけ。波も穏やかですし、泳ぐには小さいお子さんにもいい場所ですね

一番人気のコースが、「シーカヤックツーリング1時間半」(中学生以上4500円 小学生以下3500円 愛犬(18キロまで)同乗2000円)だ。

3歳から参加できるシーカヤックだが、ほとんどの人が初めてのため、西井さんが最も気を使うのは参加者の安全だ。ライフジャケットやマリンブーツなどを入念にチェックする。

まずは陸上でパドルの使い方などのレクチャー。海上ではマスクをしていると溺れる危険性があるので、必ず外す。家族単位で距離を保ってツアーが始まる。

西井さんは一足先に海へ入り、先頭で参加者を誘導。

今回は25分かけて沖にある無人島「兎山島(うさぎやまじま)」に向かい、30分ほど遊んだ後に再び25分かけて戻ってくる。

海に出ると参加者は笑顔に…スタッフ5人で約30人を無人島へ誘導

海に出ると、緊張していた参加者は徐々に笑顔に…

西井要さん:
海に出た瞬間にみなさん笑顔に変わるので、その時に今日は楽しめそうだなというのは感じる

西井さんを先頭に5人のスタッフで、この日の参加者30人ほどを誘導する。

西井要さん:
無人島へ行きたいと思います。途中、船が通る場所も通りますので、なるべく左側通行。慌てなくて結構ですので、ゆっくり後をついていきましょう

この先は、漁船が通ることがあるので一気に進む。西井さんとスタッフは、周りの安全をしっかりと確認しながら誘導する。

陸からそれほど離れるわけではないが、参加者にとっては初めて体験する大冒険だ。

この自然が続くようにするのも仕事…志摩の海の魅力を伝え続ける

シーカヤックツアーは、いよいよ無人島「兎山島」へ上陸。参加者は、ここからは30分のフリータイム。普段は静かな無人島が、この時ばかりは賑やかに…

西井要さん:
(無人島で)みなさんが喜んでいる姿、一番いい時間ですよね。みなさんの奇声が、私には喜びの声に聞こえるので

子供たちは、楽しい磯遊び。磯遊びには、1つのルールがある。

西井要さん:
生き物は全部返して、元の状態に戻して帰ります。岩をひっくり返したら、元に戻して…。(環境を)維持しながら楽しませていただいているので

女の子A:
楽しかった

女の子B:
また来たいです

西井要さん:
この自然が、10年、20年続くようにするのも私たちの仕事。自分のいる場所、ここはすごいということを分かってもらうと、もっと大事にするという気持ちも芽生えますし…

自身が子供のころに体験したように、見て触って志摩の自然を肌で感じてもらいたい…
西井さんは、たくさんの人に志摩の海の魅力を伝えている。

(東海テレビ)