将来の夢への大きな一歩を踏み出すため、2021年10月にアメリカに渡る高校生がいる。目標に向かってひたむきに努力を続ける姿に密着した。
管制塔とのやり取りを聞き、絶好の場所から飛行機を撮影
沖縄カトリック高校2年生の安里駿佑さん。
英語の先生：
What you wan't you do?（あなたがしたいことは？）
安里駿佑さん：
Travel around the world by myself.（世界中を自分で旅したい）
英語の先生：
By yourself !? Is the possible?（自分で？できそうかな？）
安里駿佑さん:
Yes !（はい）
滑らかな英語で「世界を飛び回りたい」と話す彼が目指すのは、大空を自由に飛び回るパイロットだ。
安里駿佑さん：
小さい頃から飛行機が好きで見てきていたんですけど、ずっと「乗りたいな、操縦したいな」と思っていたんです
飛行機が大好きな駿佑さん。那覇空港の滑走路が良く見える瀬長島は、小さな頃からよく足を運んでいたというお気に入りの場所だ。
飛行機を一番良い角度から撮るために欠かせないものがあるという。
安里駿佑さん：
無線ですね。管制塔と飛行機のやり取りを聞いて、降りる滑走路や風の情報を得ることができます。その情報に合わせて撮る場所を変更したりとか、なるべくいい写真が撮れるようにしています
安里駿佑さん：
珍しい飛行機だとか幻想的な風景、気象状況と重なった時、すごい綺麗に撮れた時が一番うれしいですね。次は見ているだけじゃなくて乗りたいなと思って。自分でパイロットを目指すことにしました
免許取得の勉強は、航空無線で身につけた英語で
駿佑さんは現在、小型機が操縦できる自家用のパイロット免許の取得を目指して筆記試験の勉強中。教材はすべて英語だ。
安里駿佑さん：
アメリカの方が費用も日本国内の3分の1ぐらいに押さえられるので、そういう面でもアメリカに行って、短期集中で取得しようと思いました
免許が取得できるのは17歳から。駿佑さんは11月で17歳になることから、誕生日当日に免許を取得したいとコツコツ準備を進めてきた。
母・安里真子さん：
小さい頃に「パイロットになりたい」と言った時は、どこの親でもそうだと思うんですけど「うんうん、なれるよ」という感じで軽く流していたんです。でも、どうやったらなれるとか自分で全部調べ出して。そういうのを私たちに伝えてくるので、本気だ！と思って
アメリカで免許を取るには英語が不可欠。その勉強方法は、小学3年生から聞いているという航空無線だ。
安里駿佑さん：
英語の勉強はそんなに意識してやったことはないですね。自分が好きでずっと無線を聞いていたので、どんどん頭の中に入ってくるし、全く英語を聞くことを嫌と思うこともないですし。長期的に聞くうちにどんどん覚えていきました
自然と英語が上達したおかげで、免許取得に向けたアメリカのフライトスクールの教官とのオンラインの講義も難なくこなせている。
夢に向かってまっすぐ突き進む駿佑さんを友人たちも応援している。
友人：
行動力はやっぱりすごいですね、乗せてもらいたいね
友人：
努力しているって思うところを見たことがないんですけど（笑）でも人並以上な能力はあると思うので。そこはかっこいいなと思います
安里駿佑さん：
お前が見ていないところで十分な努力をしているんだよ（笑）
友人：
人には絶対見せないところが、めちゃめちゃかっこいいです。憧れます
日米の教官たちも評価「人に幸せを届けられるようなパイロットに」
北谷町にあるパイロット養成施設で、シミュレーターを使って操縦の訓練を重ねる駿佑さん。筆記試験と口頭試問を突破すれば、実際に飛行機を操縦する技能試験が待ち受けている。
FSO 玉那覇尚也 代表：
アメリカ側の教官、私も含めて、操縦に関してはそこまで問題とは全然思っていないです。彼がすごいのは「どうしたらいいんですか？」というより「こんなやり方があるんですがどうでしょう？」と言う。なかなかできないことなんですけれども、それが色々な形で実現されているので問題なく取れると思いますよ
安里駿佑さん：
本番の試験でやるターンもきれいにできたので、結構自信にはつながりました
10月からアメリカで免許取得に挑む駿佑さんが目指すものは？
安里駿佑さん：
人に幸せを届けられるようなパイロットになりたいです。小さい頃から色々な人が、自分のパイロットになりたいという夢を応援してくれて。その感謝というのを忘れずに、パイロットになったらしっかり恩返しができるようにしたいです
大空を飛び回るパイロットへの大きな一歩を踏み出す駿佑さん。輝く未来に胸を躍らせながらアメリカへ。
今回取得予定の免許は自家用機だが、将来的には事業用免許も取って「お客さんを乗せて世界を飛び回りたい」と話していた。
（沖縄テレビ）
