いつ起きるかわからない自然災害。いざという時のため、緊急時に取るべき行動や備えておきたい物を整理しておくことが大切だ。

鹿児島大学の井村隆介准教授を迎え、親子で学ぶ“ぼうさいの時間”。テーマは「日常の危険を想像しよう~地震編~」だ。

この瞬間に地震が起きたら…

「今ここで大地震が起きたら、どうしますか?」と鹿児島市の繁華街、天文館で聞いた。

男性会社員(50代):
何かの下に隠れちゃう

女子学生(20代):
持ってるもので頭を隠します

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男子学生(20代):
天井が落ちてきそうなので出て…城山の方に逃げようかな

男性(70代):
地面に伏せる。もちろん建物のそばじゃまずいけど

――普段から「今地震が起きたらどうしよう」と考えることありますか?

男性(70代):
あまりないね。そんなこと考えてたら長生きできないよ(笑)

鹿児島テレビ・井上彩香アナウンサー:
地震が起きたら、まずどうしたらいいですか?

鹿児島大学・井村隆介准教授:
井上さん、これまで地震の訓練してきましたか?

鹿児島テレビ・井上彩香アナウンサー:
小中学校の頃、地震が起きたらすぐ机の下に隠れるように教わりました

鹿児島大学・井村隆介准教授:
今ここには机はないですが、そういうときに備えてどうすればいいか学びましょう

机がなくても、身近な物で「頭」を守る

小学校にやって来た井村先生と井上アナウンサー。

鹿児島大学・井村隆介准教授:
今授業をしています。こういうときに地震がきました。さあ、どうすればよいでしょうか?

「机が小さいですけど…」と井上さんは机の下に頭を隠した。

鹿児島大学・井村隆介准教授:
地面が揺れるだけでは人は死なない。揺れるだけで人が死ぬなら、電車に乗ったらみんな死んじゃいます。落ちてくる、倒れてくる、動いてくるものに挟まれて、命を落としたりする

鹿児島大学・井村隆介准教授:
この教室で一番安全なところは、実は机の下

机が小さかったり、人数が多くて机が足りないときは、頭だけでも守ることが大切だという。

鹿児島大学・井村隆介准教授:
机がなかったら、例えばカバンでもいい。本とかノートでもいいですから、何でもいいから頭に被せる

1995年に起こった阪神・淡路大震災では犠牲者約6500人のうち、ほとんどが倒壊した建物や家具などの下敷きになり死亡した「圧迫死」だった。

また、最大震度6弱を観測した2018年の大阪北部地震では、ブロック塀が倒壊し当時小学4年生の女の子が犠牲になった。

窓ガラスや壁掛けの額縁にも注意

ではここでクイズ。教室の中で落ちてくる、倒れてくる可能性があるものは何かわかるだろうか?

1つ目は「テレビ」。

鹿児島大学・井村隆介准教授:
すごく頑丈な足がついてるんですけど、大きな地震の揺れになると倒れる可能性がある。こういう物を固定しておく。あるいは万が一、倒れた時にそういうところに人がいないスペースに置くことが大事

2つ目は「ガラス」。

鹿児島大学・井村隆介准教授:
できるだけ離れた方がいい。窓側に座っている子どもは、窓側にお尻を向ける感じで頭を中に入れる

そして、3つ目は「壁掛けの額縁」。

鹿児島大学・井村隆介准教授:
なかなか固定できない物は、できるだけ人の真上にないようにしておくことが大事。ガラスが割れないように飛散防止シートを付ける

そのほか、天井に固定されている「スクリーン」も閉じた時と下ろした時では動き方が違うので注意が必要とのこと。

普段から様々なシチュエーションでの想定を

鹿児島大学・井村隆介准教授:
おうちの中だとどうなのか、学校に来る間の登下校の通学路はどうなのか、お父さんとお母さんと街に買い物に行った時や遊びに行った時はどうなのか…。自分で考えるクセを付けることが大事です

電車や車に乗っている時、電柱や信号機のそばを歩いている時、地震が起きたらどうするか。何気なく過ごす毎日に、少しだけ想像力を働かせて危険を察知する力をつけよう。

【取材後記】
「ぼうさいの時間」は、2021年4月から「KTSライブニュース」で毎月1回放送している防災企画です。このコーナーでは、自ら取材、構成、原稿作成を行っています。企画立ち上げやコンセプト、テーマ曲やタイトルコール、タイトルデザインまで、発注などを含めてすべて私が担当しました。

コンセプトは“親子で学ぶ”防災です。子どもにも、子どもを守る立場の大人にも楽しく学んでもらい、家庭の話題にしたり、少しでも一緒に防災について考える時間をとってほしいとの思いからです。そのため、親しみを込めて、タイトルはあえて平仮名で「ぼうさい」とし、タイトルは局の近くの保育園の子どもたちにタイトルコールしてもらいました。

そして、やはり楽しくないと視聴者の皆さんには見ていただけないので、毎回必ず“クイズ”を1つ入れ込んでいます。先生役は、鹿児島県で広く防災を広める活動をしている鹿児島大学の井村隆介准教授。私はアシスタントという立場で、視聴者目線でコーナーを進行していきます。

一方的に情報を流しただけでは意味がなく、視聴者の皆さんが「これはどうなんだろう?」「私だったらどうしようかな?」と考えてもらうことができて、初めて意味があります。命に関わる防災であれば、なおさらです。

防災には終わりがありません。これだけしていれば助かる、ということもありません。ただ、命を守るために少しでも知識を蓄えたり、行動を起こしたりすることによって、必ずリスクは下げられると思います。

熊本地震関連の取材をきっかけに、私は民間の資格、防災士の資格を取得しました。これからも、県民の皆さんが命を落とすリスクを少しでも下げられるような、思いやりのあるニュースを届けていきたいです。

(鹿児島テレビアナウンサー 防災士・井上彩香)