レンジフードの製造メーカー「富士工業」(神奈川・相模原市)に聞いたところ、雨風などは防げるが、ふさぐときに注意しなければならないこともあるという。

ほこりや雨風を防ぐ効果はある

――換気扇の給気口をテープなどでふさぐのは、台風対策となる?

効果はあると思います。自宅の換気扇としてよくみる、ファンに数枚の羽根を持つ「プロペラファン」やキッチン用換気扇の「レンジフード」で考えてみましょう。

プロペラファンは壁面に取り付けられ、室内と屋外を直接つなげています。テープなどを貼ると空気の通り道をふさぐことになるので、ほこりや雨風の侵入を防ぐ効果はあると思います。

また、レンジフードの給気口は室内に外気を取り入れるための空気の通り道ですので、こちらもテープなどでふさぐことで、ほこりや雨風の侵入を防ぐ効果はあると考えられます。

一般的な「プロペラファン」の換気扇(画像はイメージ)
一般的な「プロペラファン」の換気扇(画像はイメージ)

――排気側の出口(排気口)はふさがなくても大丈夫なの?

レンジフードの場合は、機器から排気口までダクトが配管されていて、レンジフード側の配管の根元には「シャッター」と呼ばれる、外気の流入を防ぐ装置が取り付けられています。これらの構造を考えると、排気口はテープなどでふさぐ必要はないと考えられます。 

プロペラファンの場合は、壁を開けた状態で設置されていることが多いです。出口側からふさぐこともできますが、室内からふさいだ時点で雨風などを防ぐ効果はあると思います。

レンジフード(画像はイメージ)
レンジフード(画像はイメージ)

換気扇の給気口をふさぐことで、ほこりや雨風を防ぐ効果はあるとのことだ。だが実際にふさぐときは、注意しなければ思わぬ危険を招く可能性もあるという。

ふさぐことで一酸化炭素中毒の危険性も

――換気扇などをふさぐ場合、注意点などはある?

室内全ての換気扇の給気口をふさぐことはおすすめしません。今は隙間がない「高気密住宅」が増えています。冷暖房の効きやすさや防音性などの利点はありますが、隙間がないゆえに空気がこもりやすいです。

意識的に換気しなければ、建材から発生するホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物や、火を用いる機器の不完全燃焼により発生する、一酸化炭素などの有害物質を屋外に排出できなくなります。万が一、不完全燃焼が起きたら、一酸化中毒になる恐れもあるでしょう。

火器類の使用は注意しなければならない(画像はイメージ)
火器類の使用は注意しなければならない(画像はイメージ)

――それでは、どんなことに気を付ければ良い?

部屋全体の換気を確保することが大切です。全ての給気口をふさぐと空気がこもるので、ふさぐならテープに少し隙間を空けるなどして、空気の通り道を作るべきでしょう。