今、食べられる「竹炭」に注目が集まっている。陸の豊かさを守り、新たな経済成長も生み出す可能性を秘めた、鳥取県大山町にある企業を取材した。

放置竹林から“竹炭パウダー”を作成

真っ黒なバウムクーヘンに、チーズケーキ、レモンソーダも。この中に使われているのが竹炭。この竹炭を10ミクロンまで細かく粉砕した、食用の竹炭パウダーを使っている。

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無味無臭で細か過ぎるので、口に入れても全く違和感がない。このパウダーの原料である竹炭を作っているのは、大山町にある建設会社「松本建設」。

松本建設・手嶋誠さん:
炭ってね、生きている。呼吸をしてるんです。吸って吐いての繰り返し。備長炭と言われてますけど、僕は竹炭が一番だと思っています

竹炭事業を担当するのは、松本建設の手嶋誠さん。食用としても使えるよう研究を重ね、今では年間約30トンの竹炭を生産。

そのうち約7割が県外の業者を経て、竹炭パウダーになり全国へ出荷されている。

竹は大山町の放置竹林で伐採している。放置された竹林は、里山生態系の破壊や根が浅いことによる土砂災害の原因になるとして、全国で問題になっているのだ。

これを受け鳥取県は、2008年から伐採経費の8割を負担する政策をスタート。松本建設もこの補助を受け、2015年に竹炭事業に参入した。

松本建設・手嶋誠さん:
困っている竹林の地主さんがおられるので、その人の手助けができ、結果商品ができて。大山竹炭が世に出ていけたらいいなという…社長との思いです

「地元の食材を使いたい」洋菓子店が竹炭でスイーツ作り

こうした取り組みは、SDGsの「(15) 陸の豊かさを守る」や「(8) 働きがいも経済成長も」に通じている。

デトックス効果も期待でき、吸湿性は木炭の5倍という竹炭。食用パウダー以外にも、ベッドの材料や土壌改良などにも活用されているが、まだまだ事業として一本立ちには至っていない。

手嶋さんは竹炭パウダーの販路拡大を目指して、このパウダーを年間約100kg買い戻し、地元の飲食店などの業者5社への販売を始めた。

地元、大山町の洋菓子店では…

バウム&クーヘン・新田孝一さん:
良い炭で作られてるというのが一番、なるべく地元の食材を使いたいという気持ちがあったので

この日は、竹炭の入ったバウムクーヘンやレモンソーダの試作品が出来上がった。9月から販売予定で、個性的な見た目からハロウィーンシーズンに期待しているという。

松本建設・手嶋誠さん:
大山竹炭を世に広めたい。大山町の荒れた竹林をきれいにすることから入って、それが商品になって皆さんのところに返ってくる。循環ができたら、この事業をやった甲斐がある。我々のモチベーションにもなります

「大山竹炭」を全国ブランドへ。厄介者の活用で、持続可能な生態系と経済の循環を目指している。

(TSKさんいん中央テレビ)