九州北部豪雨による災害、そして新型コロナウイルスによるコロナ禍。
4年にわたって続く危機を乗り越えるため、地域の宝を生かした新たな取り組みに挑戦する温泉地の有志たちの姿があった。

豪雨にコロナ禍…温泉街を襲う危機

福岡・朝倉市の温泉地、原鶴温泉。その良質なお湯は、全国的にも知られている。

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肌がつるつるになる弱アルカリ性の温泉が宿の自慢と話す、2021年で創業52年になる老舗温泉旅館、やぐるま荘の師岡哲也社長。
本来であれば、夏休みのこの時期は大勢の人でにぎわうはずが…

やぐるま荘 師岡哲也社長:
皆さん、コロナを警戒して旅行控えみたいな感じ

4年前の九州北部豪雨で浸水被害を受けた原鶴温泉。
やっと客が戻りかけていた温泉街に追い打ちをかけているのが、新型コロナウイルス。4年にわたって危機が続く。

こうした状況を乗り越えようと、師岡さんたち地元有志が今、力を入れているのが…

やぐるま荘 師岡哲也社長:
実は僕、こういう仕事もしてるんです。こちらカヌーです。このカヌーボートを使って、カヤック体験を筑後川でやってもらっています

密を避け、「カヤック」で雄大な自然満喫

温泉と並ぶ地元の宝「筑後川」を生かした取り組み。
本格的に始まったのは、カヤックの体験教室。“密”を気にすることなく楽しんでもらい、体を動かした後は、温泉でさっぱりしてもらおうというのが狙いだ。

やぐるま荘 師岡哲也社長:
風を感じたり、せせらぎの音とか揺れを、自然を体験してもらえることが一番良いかなと

花村枝里リポーター:
いってきまーす!

パドル操作のコツを覚えるのにかかるのは10分ほど。1時間もかからないうちに、自由に水上を移動できるようになる。

花村枝里リポーター:
風が気持ちいいですね

メンバー:
水面に近くなるから、風が感じやすくなる

実は、師岡さんのグループ「筑後川カッパニー」は、カヤックのインストラクターやレスキュー資格も持っている川遊びの達人たち。団体名の由来は、川を愛する男性の意味を込めた「カッパ兄ちゃん」とカンパニーをかけたもの。
安全にカヤックが楽しめることから口コミが広がり、予約も予想以上に伸びているという。

参加した家族:
とっても楽しかったです

参加した家族:
川の上だったので、とても涼しかったし、密になることもなかったので、心配なく遊ぶことができました

筑後川の雄大な自然を満喫できる、新たな取り組み。
今後も、ふるさとの宝でもある筑後川の魅力を活かした取り組みを続けたいと師岡さんは意気込む。

やぐるま荘 師岡哲也社長:
ことしは、原鶴の夏の風物詩でもある鵜飼いができないこともあるし、この筑後川に何か彩りを加えられればというところ。まず自分が楽しんで、もっと楽しいことを探しながら、それをお客さまに提供できればと思っています

カヤックを楽しんだあとに、やぐるま荘のW美肌の湯で疲れを癒やせる入浴付きだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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