大谷選手の顔・顔・顔!!!
その日、観客席は大谷翔平選手の「顔」だらけだった。アメリカ・メジャーリーグ、エンゼルスの本拠地で8月11日、先着1万4000人に配られたのは大谷選手の「顔だらけTシャツ」。一度見たら忘れない、いや、忘れられない奇抜なデザインはインパクト大だ。
このグッズは2019年にも一度配られていたが、今シーズン大谷選手の快進撃とともに、球場でこれを着たファンの姿が注目され「あれはどこで買えるんだ!?」とSNSなどで話題になっていた。二回目の配布となった11日は、このお宝Tシャツを求めるファンが開場前から詰めかけた。
この記事の画像(8枚)Tシャツをもらったファン:
「すてき、宝物にします!」
Tシャツをもらったファン:
「最高だね、これ以上のものはないよ!これが欲しかったんだ」
Tシャツ一枚で大谷選手が何人?数えてみた
一枚のTシャツに大谷選手の顔は幾つプリントされているのか。気になったので、数えてみた。
「大谷選手が1人、大谷選手が2人、大谷選手が3人・・」
しかし、すぐに目がチカチカしてどこまで数えたか分からなくなる。何度も一から数え直すはめになった。XLの広々とした生地一杯に広がる大谷選手たちが、四苦八苦する記者を全員同じ笑顔で見つめてくる。最終的には大小併せて131人の大谷選手を見つけることができた。
仕掛け人は「パズドラ」でおなじみのあの日本企業だった
実は、球団とともにこのグッズの企画を手がけたのは「パズドラ」などの人気作で知られる日本のゲーム会社「ガンホー・オンライン・エンターテイメント」だ。
担当したアメリカ法人の代表に話を聞いた。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント・アメリカ 岩崎順CEO:
2018年にエンゼルス球団から「スポンサードしませんか」と打診されたのがきっかけです。ガンホーのアメリカ法人もロサンゼルスにオフィスがありまして、大谷選手が地元の球団に来て、しかも前人未到の二刀流にチャレンジするということで、我々もなんとか微力ながら応援したいと思ったんです。スポンサーと言っても、球場の広告とかやり方はいろいろありますが、中でもグッズの協賛はぜひやらせて欲しいと言いました。
「本当にこんなもの作るの!?」
元々このデザインは、球団側から提案したという。球団広報によると「いつも面白いことを考えている担当チームが、ファンの人たちに楽しんでもらいたいという思いから発案した」とのこと。しかしガンホー側は当初かなり戸惑ったという。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント・アメリカ 岩崎順CEO:
球団からこのデザインが出てきた時は正直言って驚きました。念のため、日本の本社CEOにも「こんなデザインで作るんだけど・・」ってお伺いを立てたら案の定「本当にこんなもの作るの!?」って言われて(笑)。でも最終的には「逆に突き抜けてていいかもね」という結論になりました。
最初はファンの方の間でも「こんなもん誰が着るんだよ」ってリアクションもあったけど、逆に「絶対欲しい」という賛同もあったので、どちらの強い意見もあって、よりバズっていったのかなと思います。マーケティング的にはラッキーでしたね(笑)。
次なる「顔グッズ」は一体!?
大谷選手の“バズった”顔グッズと言えば、7月に配られたド派手な「大谷枕」も、実はガンホーが手がけたもの。大谷選手は名実ともにメジャーリーグの顔となってきたわけだが、そうなると、次なる「顔グッズ」第三弾にも期待が高まる。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント・アメリカ 岩崎順CEO:
次もぜひ顔シリーズでやりたいですね。今回のTシャツは全て同じ顔なので、今度は“喜怒哀楽”の表情が集まった何かを作れれば面白いんじゃないかと思っています。
それにはまず、大谷選手自身がとにかくケガなくシーズンを乗り切って、ホームラン王と、年間MVPを獲得してほしいですね。
【執筆:FNNロサンゼルス支局長 益野智行】