初の満塁弾に100号本塁打と先週の20連戦も日本はもちろんアメリカをわかせる活躍を見せたエンゼルス大谷翔平、27歳。このホットなタイミングで藤川球児さんがスポーツニュース「S-PARK」の現地取材で大谷を直撃、二刀流の神髄が明らかになった。
藤川球児が現地で発見「質の高い練習」
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5月9日、藤川さんはタンパベイ・レイズとの試合を前にアナハイムのエンゼルスタジアムを訪れた。大谷は練習メニューが読めないため、早めに行ってチェックしたいという理由からだった。
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エンゼルスの選手が練習を行う中、大谷はグラウンドに姿を見せると、普段通りカラーボールを壁に当てるルーティーンをこなす。続いて始まったキャッチボールで藤川さんはあることを発見した。
「これはすごいよ。大谷選手がキャッチボールで意識しているのはコア(体幹)です。大谷選手は二刀流をやっているから練習量をそこまで増やせない。めちゃくちゃキャッチボールを大事にしていますね。ひとつひとつを大事に、いま1球も手を抜かず時間をとってコア(体幹)を確認しながら練習をしています」
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体幹を意識してキャッチボールを行うことで、軸がブレない投球の基盤を作っていた大谷。キャッチボールの1球1球に意味を持たせ丁寧に投げる。二刀流を支えている質の高い練習を、藤川さんは見抜いた。
大谷“二刀流”を徹底取材
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5月11日、再びスタジアムを訪れた藤川さん。この日は二刀流で出場する大谷を1塁ベンチ上から見守った。大谷は2回、スプリットをとらえられ先制を許す。それでも、ピンチを招いた5回にギアを上げると、気迫のこもった158キロ直球で内野ゴロに仕留めピンチを切り抜けた。6回は変化球を8球続け2者連続三振に。直球と変化球を投げ分け、6回2安打1失点と好投、防御率は2点台となった。
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一方、打者では内野安打と盗塁をマーク。20連戦の長く過酷な締めくくりで二刀流を存分に披露した。
大谷×藤川インタビュー全て見せます
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試合後、藤川さんは大谷を直撃した。限られた時間の中で聞きたかったのが「体の緩急」だ。
ーー昨年と違ってゲーム中にエキサイティングに見えるんですよ。やはりチーム状況とかチームの立ち位置は関係ありますか?
「ある程度年数を重ねてきて、期待よりは計算が多くなってきているかなと思うので、その中で結果を出したいなというのは1年目とは違うかなと思います」
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ーー1塁側のベンチ上から見ていたんですけど、投球の時にフォームで緩急をつけている。ドライブの勢いというか、そこに変化をつけているように見えたんですけど「下半身でリズムを変える」「送り方」とか変えたりしていたんですか?
「リリースポイントもそうですし、1球種1球種どういう方がいいのか、バッターが嫌なのか変えたりとか、今日はあまりクイックを使わなかったですけど、ランナーがいなくても使ったりとか、そういうことは工夫しながらやっていきたいです」
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ーーそのあたりは20連戦を戦っていく上で、打席でもそうですけど体に緩急をつけながらというふうに見えたんですけど?
「球種もそうですけどなるべくデータも出るので、いらない球種も投げながら管理しながら全部出さない、見せないように色々考えながら投げたいなとは思います」
ーーありがとうございます。お疲れ様でした
20連戦を戦い抜く投打の緩急
藤川さんが2回も質問の中に入れたのは「体の緩急」。そこにこそ大谷翔平の二刀流としてのポイントがあると発見していたからだった。
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「ゲームの中でアクセントを効かせているんです。20連戦の最後で疲労感が出ているから時には70%。時には100%でいくんです。僕が大谷選手に聞いたのはドライブという踏み込みなんですよ。右足のけりですね。このスピードが速いとホーム方向にパワーが強いわけなんですよ。そこで腕を振ると97~98マイル(156キロ~158キロ)出ます。それを抑えて93~94マイル(149キロ~151キロ)に落としてコントロール重視することによって今日も疲れた中で6回2安打に抑えられたんですよ」
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藤川球児が実演「打席での緩急」
藤川さんが注目したのが「ドライブ」。軸足から体重移動する際のスピードに差をつけることで、球速の緩急はもちろん、体力面でも力を入れるところと抜くところを明確に。さらにもうひとつ注目していた緩急が「打席での緩急」だという。
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「打席の中でも同じだったんですよ。打席でもカウントによって変えていたんですよ。高めから重心をゆっくり落とす時もあれば、9日のレイズ戦で満塁HRを打った時はがっつり重心を下げて出力を最大限に上げた状態でスイングしたんですよ」
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より力の入る重心を下げた構えと力を抜くため重心を上げた構え。打席でも力の強弱をわける体の緩急を使っていた。2つを比較してみると頭の高さが違うことがわかる。ステップした状態でもやはり違う。この高さの違いが「打席での緩急」だと藤川さんは言う。
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「力の出しどころですが、普段なら10球中8球それ(全力)が出せるんですけど、20連戦にもなって疲労が溜まってくるので、たぶん5球ぐらいに絞っています。一回力むと一回休み、次7割くらい次10割というように」
打席でも力の強弱をわける体の緩急を使っていたことが分かった大谷。この投打での様々な緩急こそが20連戦の過酷な戦い、そして二刀流という異次元の挑戦を支えていることがわかった。
藤川球児サンディエゴへ
大谷を取材した藤川さんはサンディエゴに移動してパドレスの本拠地・ペトコパークでダルビッシュ有を直撃。この週末の放送で藤川さんはどんな発見をもたらしてくれるのだろうか?
S-PARK 2週連続MLB特集!現地総力取材!
21日土曜:24時35分~25時15分 鈴木誠也企画
22日日曜:23時15分~24時30分 ダルビッシュ×藤川球児対談
(フジテレビ系列にて放送)