JR新宿駅東口のビルに出現した“3D巨大猫”をご存じだろうか。大型ディスプレイに映し出された猫の映像が、目の錯覚で立体的に見えるもので、マスコット的な人気を集めている。
この記事の画像(9枚)この光景を自宅で再現した猛者が登場した。
新宿の巨大ネコ すごいよね。うちの巨大ネコもかなり飛び出して見えるんだけど。。。
Twitterユーザーの現代美術二等兵ふじわら(@f2touhey)さんが投稿したのは、1匹の黒猫がちょこんと座っている動画。その周囲をよく見ると…東口のビルそっくりではないか!
大型ディスプレイにあたる部分が猫の休息スペースとなっていて、ビルの広告も本物さながらに再現されている。そこでまったりする黒猫はまるで、新宿の3D巨大猫のようだ。
この投稿は注目を集め、動画は375万回再生を突破。いいねも31万以上を集めている。(7月15日現在)
新宿の巨大ネコ すごいよね。うちの巨大ネコもかなり飛び出して見えるんだけど。。。 pic.twitter.com/oGwBnUaeRy
— 現代美術二等兵ふじわら (@f2touhey) July 13, 2021
さらに、休息スペースから立ち上がった黒猫の動画も投稿されていて、こちらもユニーク。当然だが立体視というレベルを超えて、ディスプレイから飛び出たような構図になっている。
3D巨大猫を見た時に「飼い猫がこの大きさだったら」と想像した人もいるだろうが、このような形で再現したのは驚きだ。アイデアはどこから浮かんだのだろう。また、誰でも作れるのだろうか。
現代美術二等兵ふじわらさんにお話を伺ってみた。
素材はほぼ「段ボール」
ーーなぜ、新宿駅東口のビルを再現したの?
アートユニット「現代美術二等兵」として、いろいろなものを作っているのですが、新宿の巨大猫が話題になっていておもしろいなあと思っていまして。うちの猫たちも入れてみるかと考えました。
ーーどのように作っている?制作過程や使用素材は?
7月12、13日の2日間でできました。素材はほぼ段ボールです。10分の1サイズの簡単な図面を書いて、ビルの見えている面2面を段ボールで作り、ネットの画像からビルの面の画像をつくってプリントしたものを貼り付けました。これを本棚の角に貼り付けています。
ーーこだわったところや工夫したところは?
今回はスピード勝負と思ったので、あまりこだわらず、そう見えるように組みました。表部分しか作っていませんので、いざ組み上げるときには裏に、椅子やらビデオテープやらいろいろ積み上げてテープで固定しました。見える面はいい感じになったと思います。
オレオくんは実物もビッグサイズ
ーー動画に登場する黒猫ちゃんは飼い猫なの?
元保護猫でオレオ(オス・4才)といいます。体重7.5キロで本当にかなり巨大です。食いしん坊で太り気味です。妹のティラミス(メス・4才)と一緒に、保護施設からやってきました。
ーーセットを見た猫たちはどんな様子だった?
自宅で組み立て中も猫たちが興味津々で周りをうろうろしていました。(オレオくんは)嫌がってもっと暴れるかと思ったのですが、落ち着いてしまい、何度撮り直してもあまり変化のない動画になりました。20分くらいです。そのうちそのまま寝ようとしだしたので降ろしました。ティラミスは臆病なので、嫌がってすぐに逃げました。
ーー猫に関連した作品は他にもあるの?
前回の個展のときに「猫砂スノードーム」という作品をつくりました。猫トイレの砂が舞い散る様子をミニチュア化したもので、スノードームの舞い散る粉を「雪」ではないものにできないかと考えたものです。Twitterで話題になったので、クラウドファンディングに挑戦しています。
少しでもほっこりしていただけたら
ーー再現したビルのセットはどうする?
とりあえず今はもう取り外してあります。猫がメインなので他での展示は難しいと思います。
ーーネットで話題となったが受け止めは?
暗いニュースが多い中、少しでもほっこりしていただけたら幸いです。
ーー今後の目標は?伝えたいことはある?
先のことはあまり考えておらず、思いつけば作っていきたいと思っています。伝えたいことは現代美術二等兵の活動になりますが、京都市で駄美術展「京都五輪」という個展を開催中です。妄想の世界から集めた約150点の作品を展示します。
※会期は2021年7月14日~8月15日、緊急事態宣言などの影響で変更の可能性あり
周囲をミニチュアにして飼い猫を大きく見せるという、逆転の発想だった。セットを作るのはそれほど難しくはないとのことなので、猫と暮らす人は再現してみると楽しめるかもしれない。
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