小さい頃、メイク道具は特に女の子にとっては憧れの存在だったことだろう。親がメイクする姿を見て、「自分もやってみたい!」「口紅で絵を描いてみたい!」と思った人もいるかもしれない。
しかし、本物のメイク道具でやってしまうと怒られてしまう。そんな中、この子どもの夢をかなえてくれる商品が誕生した。
小さい頃「お母さんの口紅でお絵かきしてみたい」と思ったことがあるすべての人のためのクレヨン作ったから見て!!!!! pic.twitter.com/YCegNfKbzW
— まいしろ (@_maishilo_) May 23, 2021
小さい頃「お母さんの口紅でお絵かきしてみたい」と思ったことがあるすべての人のためのクレヨン作ったから見て!!!!!
このコメントとともに投稿された写真に映るのは、本物の口紅ではなく、口紅に似せたクレヨン。ゴールドと黒のケースもあり、高級感が漂っている。
ケース部分があることで、普段見慣れているクレヨンと比べて、もしかしたら持ちやすくて描きやすいかもしれない。
そして、この口紅をクレヨンにするという発想は、子どもだけでなく、大人の心をくすぐったようだ。投稿にTwitterユーザーからは、「天才ですか?」「ありそうで無かった」「おお!欲しい」と歓喜の声が寄せられ、1万9000いいねが付いているのだ。(6月1日時点)
投稿したのは、まいしろ(@_maishilo_)さん。数年前から雑貨制作を友人と始め、年1〜2回ほどのイベント出展を中心に、仕事の合間の時間を使ってマイペースに活動しているそうだ。
この“口紅クレヨン”の他に、「『アイシャドウで色塗りもしたかった』という人のために絵の具もあるので!あの頃の夢が!すべて!かなう!」と、アイシャドウの形をした絵の具も制作。本当に、小さい頃の夢が全てかなってしまいそうな夢のような商品だ。
そして、これらの商品は、5月29、30日に東京ビッグサイトで開催された「デザインフェスタvol.53」で販売するために作ったもの。
Twitterでの反響は大きかったが、イベント当日の売れ行きはどうだったのだろうか? 気になる描き心地と合わせて、まいしろさんに話を聞いた。
本物の口紅ケースを使用したクレヨン
ーーなぜ”口紅クレヨン”を作った?
YouTubeでたまたまコスメの動画が流れてきて「そういえば小さい頃こういうコスメでお絵かきしてみたかったな」と思ったのがきっかけです。「大人になったいまなら実現できる!」と思っていろいろと調べて、試行錯誤の末、この形になりました。
(口紅で)実際に描いたことはないのですが、母に何度もおねだりしていたのは覚えています。母のドレッサーの引き出しはいつもカラフルで、のぞき込むのが好きでした。
ーー商品名を教えて。
名前は特につけていないのですが、なんとなく「口紅クレヨン」と呼んでいます。アイシャドウもいまのところ決まった名前はないのですが、自分では「シャドウえのぐ」と呼んでいます。
ーーどうやって作ったの?
クレヨンを溶かして、口紅を手作りするための金型に入れて固めています。
ーー本物の口紅と同じ仕組み?
本物の口紅ケースを使用しているので、まったく同じ仕組みになっています。
ーーどんな色あるの?
クレヨンは、赤・オレンジ・黄・ピンク・黄緑・水色・紺・紫・赤紫・白・黒・銀などがあります。すべて手作りなのでそれぞれちょっとずつ色味が違っています。
アイシャドウはざっくり赤系、青系、黒系の3種があって、クレヨンにあわせて組み合わせが変えてあります。
ーー商品のポイントを教えて。
本物の口紅のようにスティックを伸ばしたり閉まったりできてかわいいです。あまり場所をとらずに飾れるので、玄関やデスクに飾るのにもちょうどいいかなと思っています。
「思っていたよりも描きやすい」
ーーこだわった部分はどこ?
見た人に驚いてもらえるように、実際の口紅ではなかなか見ないようなクレヨンらしい色をできるだけ使うようにしました。あとはできるだけ高級感を出したくて、本体の色も黒色や金色にこだわりました。
ーー大変だったことはある?
クレヨンによって固まりやすさが違ったり、色によっては綺麗な仕上がりにならなかったりするので何度も作り直しました。クレヨンはすぐに溶ける代わりにすぐに固まるので、手早く作業しないといけないのが大変でした。
ーー商品に通じるコンセプトやテーマを教えて。
雑貨をつくるときは「自分が欲しいものを作る」「市販で売っていないものを作る」というのをテーマにしていて、今回の口紅クレヨンもそれをテーマに制作しました。
ーー完成した時、どうだった?
口紅クレヨンは思っていたよりかなりかわいく出来たので「売りたくない!私が欲しい!」と思いながらしばらく眺めていました笑
シャドウえのぐの方は、作るまでがとにかく大変だったので「やっと出来た...!」という達成感が一番大きかったです。どちらも完成したときはとにかく嬉しくて、写真を撮って友達に送ったりしていました。
ーー描き心地はどう?
口紅クレヨンは思っていたよりも描きやすかったです。比較的かたいクレヨンを使っているので、塗りつぶすよりは線を引いたりする方が向いていると思います。
シャドウえのぐの方は、筆がミニサイズなので塗りにくかったです笑
ひび割れを防ぐためにいろいろ混ぜたりしているので、ぬってみると普通の絵の具より少し薄い色合いになりました。
現在通販での販売を準備中
ーーどこで購入できる?
デザインフェスタ用に作ったものなので、いまのところはイベント限定での販売になります。ただ、ありがたいことに「通販して欲しい」というお声をたくさんいただいたので、現在通販も準備中です。
ーーデザインフェスタではどうだった?
「Twitterで見ました」「これを買うために来ました」という方がたくさん来てくださってすごく嬉しかったです。赤系のものが特に人気で、開始30分ぐらいで売り切れてしまって驚きました。最終的には在庫すべて売り切れになりました。
ご自分用に買われる方のほか、子どものプレゼント用に買われていく方も多かったです。その他、絵を描かれている方が「これで絵を描いてみたい」とご購入されていくこともありました。
ーー今後、他に種類が増やすなど予定はある?
11月のデザインフェスタに向けて新作を作りたいなと思っています。デザインフェスタには年に1回程度出展していて、その度に新作を作っているので今後も時間がゆるす限り続けていくつもりです。
ーー今回話題になったけど、どう思う?
作っているときは、こんなにたくさんの方に見ていただけると思っていなかったのでとても嬉しいです!「ルージュの伝言ごっこをしたい」「知り合いの子どもにプレゼントしたい」などそれぞれの使い方もたくさんコメントでいただいて、「そんな使い方があるのか!」と読むのが楽しかったです。
見た目がかわいく、手が汚れにくいため、大人にも、そして小さい子どもへのプレゼントにも喜ばれそうな口紅クレヨンとシャドウえのぐ。通販を準備中とのことなので、気になる方はまいしろさんのTwitterを見てほしい。
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