ワールドベースボールクラシック(WBC)1次ラウンドで侍ジャパンと対戦し、8回まで0-0の接戦を演じた末に敗れたチェコのパベル・ハジム監督の会見が話題となっている。

チェコはこの試合で、代表引退を表明している先発のオンジェイ・サトリア投手が4回3分の2を無失点で抑えるなど、強打の侍ジャパン打線を相手に見事な戦いを披露。

8回に周東佑京の3ランや村上宗隆のグランドスラムなどで一挙9点を奪われ力尽きるも、大善戦を見せて、東京ドームに詰めかけた観客からは健闘を称える拍手が巻き起こった。

試合後の会見に臨んだハジム監督は、「侍ジャパンを相手に、終盤ではヒットエンドランもさせました。サトリアの素晴らしいピッチング、東京ドームの素晴らしい雰囲気。天国のようでした」と試合を振り返った。

引退試合で最高のピッチングを見せたサトリア投手に、東京ドームの観客から大きな拍手を送られた点については、「皆さんご覧になったと思いますが、全ての選手の夢ですよね。4万人を超えるスタジアムで引退試合をするなんて。多くの日本の皆さまにサポートされましたし、ファンもたくさん支えてくれました。思い出は本当に尽きません。いろんな思い出が語り尽くせないくらいあります」と感慨深げに語った。

チェコは大半が本業を別にもつアマチュア選手。サトリア投手も本業はエネルギー企業の電気技師だ。

そんなチェコが侍ジャパンを終盤まで苦しめた事については、「私たちは観光にきたのではありません。きょうの試合で私たちは観光客では無いと示すことが出来たと思います。今夜の試合は、東京ドームでの私たちのプレーは、チェコの野球界の夢だけではないです。チェコの野球ファンだけでもありません。ヨーロッパ全体の野球界にも、そしてもしかしたら、野球界全てにメッセージを送れたんじゃないかと思っています。私たちは、世界から見ると小国です。しかし私たちは大きな夢を持っています。そして私たちの事を、とても誇りに思っています。私たちの職業はプロではないですが、考え方や練習・試合への取り組みをプロのように行えばプロフェッショナルな野球選手と言えるのではないでしょうか」と誇らしげに語った。

会見の終了がアナウンスされると、ハジム監督は「1分だけください」と言ってチェコ代表の帽子を脱ぎ、「日本」と書かれた鉢巻きを取り出し、頭に巻いた。

そして、日本語で「日本、ありがとうございます!」と叫ぶと、ハジム監督はさらにクルリと背中を向けて自らの背番号「89」を指さし、「ヤキュウ、フォーエバー!」と叫んだ。

「89」は日本語の「ヤキュウ」が由来である事を示唆したのだ。

突然の出来事だったが、会見場に詰めかけた記者からは大きな拍手が巻き起こり、ハジム監督は笑顔で会見場を後にした。

プライムオンライン編集部
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