少しでも子連れで乗りやすい電車を。そんな思いが込められた車両を、首都圏をめぐる小田急電鉄が走らせている。

この記事の画像(10枚)

子連れでの電車移動について、街のママたちは…

3歳、0歳のママ(30代):
あんまり(電車)乗らないですね。車ばっかりで。うるさくて迷惑かけちゃうかなというのもあって…

5歳、0歳のママ(20代):
抱っこでずっと乗らなきゃいけないのが大変で。上の子のときに何回か乗ったんですけど、それでもう諦めて。この子はまだ乗ってないです

0歳のママ(30代):
40代くらいの女性に「邪魔だ」って怒られたことがあって。ずーんときて、次の日くらいまでちょっと落ち込んじゃって…

子育て世代の気持ちをポスターで表現

そんな状況を変えようと登場したのが、小田急電鉄の「子育て応援トレイン」だ。

小田急電鉄 広報部 白木裕子さん:
「泣いてしまったらどうしよう」とハードルを感じて、移動にちゅうちょされるお客さまは多くいらっしゃると思いますので。そのハードルを取り除けられればというふうに思っています

小田急電鉄には、子育て側から「電車に乗りにくい」という声が寄せられる一方で、「子連れのマナーが悪い」「マスクを着けさせていない」という乗客の声も寄せられているという。

子育て応援トレインはそんな状況を変えたいと、若い社員たちが「これから子どもを育てる自分たちから子育ての大切さを伝えたい」と発案したものだ。

車内には「電車内でとつぜんギャン泣き。こっちも泣きたくなる(汗)」「赤ちゃん連れのお出かけはちいさな“お引っ越し”です。」など、子育て世代の切実な気持ちが描かれたポスターを全車両に掲げていて、乗客にその思いへの理解を促している。

気兼ねなく乗れる専用車両も用意

さらに、電車の1両だけを「子育て見守り車両」としている。こちらには「子育て中の方をあたたかく見守っていただきますよう、みなさまのご理解とご協力をお願いいたします」と書かれたステッカーを貼り、子連れでも気兼ねなく安心して乗れるようにしている。

子育て見守り車両について、街のママたちは…

3歳のママ(30代):
すごいありがたいですね。周りで乗っている方も、そういう車両なんだなっていうのは分かって乗られるという気もするので…

0歳のママ(30代):
できれば普通に、女性専用車両みたいに定番化していただければうれしいです

子育て応援トレインは5月30日までの期間限定となっているが、反響を踏まえて常設について検討するという。

鉄道各社も“支援の輪”続々

石本沙織キャスター:
ありがたいですよね。紹介したのは小田急の例でしたが、その他の鉄道各社はこのような取り組みを行っています。例えば、JR山手線では全車両にベビーカー・車いす用のフリースペースを確保しています。もともとそのまま乗り込んでいいんですが、こういうスペースがあると乗りやすいですよね。都営大江戸線では「子育て応援スペース」と称して、かわいらしい装飾を施しています

石本沙織キャスター:
柳澤さん、電車に乗られると思いますけど、ベビーカーの方は多いですか?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
乗りますよよく。周りの目を気にして肩身の狭い思いをしているような人を見ると、やっぱり思いやりが必要なんだなと思う反面、「当たり前だ」みたいな格好で横柄にされていると、なんでなのかなとは。互いの思いやりですよね

加藤綾子キャスター:
そうですね

石本沙織キャスター:
お互いのやっぱり歩み寄る気持ちっていうのが、一番大事かなと思いますね

(「イット!」5月13日放送より)

【関連記事】
制定7年「ベビーカーマーク」65%超が「知らない」電車で邪魔扱いされる現実に…