新型コロナの影響で厳しい経営状態が続く飲食店。こうした中、ある飲食店が石川・金沢市にオープンした。
経営者は、最近まで夜の営業が中心の飲食店を開いていたが、新たな店は、朝の営業が主役となった。

チーズが売りの人気店が…新型コロナの影響で閉店

飯山聖一さん:
看板も全部外したんです

金沢市片町で飲食店を営む飯山聖一さん(46)は、3月に経営していたバルを閉めた。

金沢市片町で飲食店を経営していた飯山聖一さん
金沢市片町で飲食店を経営していた飯山聖一さん
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飯山聖一さん:
(3月)20日まで営業していたんですけど、それから片付けて。いろいろ荷物運んで

洋食バル「センナリ食堂」は、チーズが売りの人気店だった。

3月に閉店した「センナリ食堂」
3月に閉店した「センナリ食堂」

しかし、緊急事態宣言による休業や、2021年2月の時短要請と新型コロナの影響は小さくなかった。

飯山聖一さん:
車で運転していても、片町の近くになると空くんですよね。いまだに暇というか。人がいないのも現状

競合店の少ない朝営業に大転換

3月26日、飯山さんの姿は金沢市の住宅街にあった。
新たな場所で飲食店を開くことにしたのだ。

飯山聖一さん:
ちょっと広く(なった)。お弁当の注文もこなせるようなオペレーションにしたかったので

新たな店は定食と弁当の店で、開店時間は朝7時。夜の営業から、朝の営業に大転換だ。

コロナ禍で夜の飲食店に厳しい視線が注がれる中、飯山さんが目を付けたのは、競合店が少ない朝の営業だった。

飯山聖一さん:
僕がどうこうしたって、現状は変えられないので。受け入れて、これも流行、時代なのかもしれないので、それについていけるような商売をしていきたい

4月22日午前7時、再出発の日を迎えた「せんなり食堂」。

せんなり食堂 (金沢市西泉)
せんなり食堂 (金沢市西泉)

朝5時から仕込み始めたお弁当は、開店までに何とか間に合った。

早速、女性客が2人訪れた。

弁当を買いに来た客:
朝早くからやっているので、一回来てみたいなと思って

飯田嘉太アナウンサー:
お子さんを学校へ送った後に?

弁当を買いに来た客:
送った後に

飯田嘉太アナウンサー:
これはお昼ごはん? 朝ごはん?

弁当を買いに来た客:
お昼ごはん兼朝ごはんって感じ

「いつでも来られるようなお店に」

洋食バルの店主が作るモーニングを、飯田アナウンサーも注文した。

飯山聖一さん:
焼き魚定食です

飯田嘉太アナウンサー:
おいしそうー

モーニングの焼魚定食(680円)
モーニングの焼魚定食(680円)

メニューは、意外にも和食が中心。モーニングというより朝ご飯だ。
魚は毎朝、市場で仕入れている。

飯田嘉太アナウンサー:
いただきます。脂がのっています。おいしいですね

だしからとった味噌汁に…小鉢や漬物も全て手作り。

毎日食べても飽きがこないよう、和食にしたという。

訪れた客:
めっちゃ、おいしかったです

訪れた客:
朝早くから定食を食べられる店はあまりないので、すごくいい店だとお思います

飯山聖一さん:
忙しい方が面白いですよね。皆さんがゆっくり来られるような、営業時間も長いので、いつでも来られるような、気軽なお店にしていきたい

定食と弁当に活路を見いだした飯山さん。コロナ禍でも前を向いている。

27年間、金沢市片町で飲食店を経営してきた飯山さん。郊外への出店は初めてだったが、従業員の雇用を守るために決断したという。
ランチも豪華で、朝定食+刺し身と小鉢、茶わん蒸しがつく。

(石川テレビ)

石川テレビ
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