東京都は、3度目となる緊急事態宣言発令を政府に要請。従来型より感染力が強い変異ウイルス「N501Y」が東京でも広がりを見せる中、今回の宣言発令で本当に人の流れを抑制できるのか。感染抑制に向け、どのような戦略を描いているのか。

今回の放送では小池百合子東京都知事とスタジオを中継で結び、自民党ワクチン対策プロジェクトチーム座長の鴨下一郎氏と、東京都専門家ボードの座長を務める賀来満夫氏とともに徹底議論した。

狙いは変異株N501Yの抑制

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長野美郷キャスター:
小池都知事、なぜ今緊急事態宣言の発令が必要だと判断されたのでしょうか。

小池百合子 東京都知事:
変異種であるN501Yは感染力がこれまでよりも強く、実効再生産数が1.3倍から1.9倍と言われる。もはや感染者の5割がN501Yという状況で、変異株は若い世代も感染・重症化しやすい。医療提供体制も逼迫する。一方、まん延防止等重点措置の中でも人流が抑えられていない。そこでゴールデンウィークに向け、3度目となる緊急事態宣言を要請しようと。

長野美郷キャスター:
3週間ほどの期間を目安にという話もありますが、解除の具体的な目安は。

小池百合子 東京都知事:
賀来先生からは1日あたりの新規感染者数を100人以下に抑える必要があるという話も頂いたが、総合的に考える必要がある。

反町理キャスター:
鴨下さん、東京都の対策については。

鴨下一郎 自民党ワクチン対策PT座長:
100名を目指すとするとかなりの抑制が必要だが、目指すべき。仕事のためやむを得ず外出する人が減るゴールデンウィークはチャンス。人との接触を徹底して必要最小限にできれば、3週間で劇的に下がり得る

2週間延長までした前回の緊急事態宣言では、新規感染者数が500人ぐらいで高止まりしてしまった。これが今の緊急事態宣言の手法の限界。教訓としなければ。

接触を半分以上減らさなければN501に対応できなくなる

長野美郷キャスター:
従来株よりも感染力の強い変異株「N501Y」の感染は東京でも拡大。都内のN501Y変異株感染者は4月に入って急増し、直近のデータでは全体の32.8%に。そして東京都専門家ボードの分析では、N501Yの場合30%の接触減少では抑制とならず、50%減らした場合にようやく感染抑制となる計算。

賀来満夫 東北医科薬科大学特任教授:
外国では、50%減らしても抑制にならないという計算もある。非常に厳しいが、接触を半分以上減らさなければN501Yには対応できなくなる。人と人が、1メートルから2メートル以内の距離で、マスクなしで15分以上会話するような接触を減らすこと。

反町理キャスター:
最初の緊急事態宣言時のように、街も電車もガラガラという状況を今回は求めているという理解でよいのか。

小池百合子 東京都知事:
影響を被る業界の皆様方には誠に申し訳ないが、ここで押さえ込むことが命・健康そして経済にとっても結果としてプラスになる。

反町理キャスター:
変異ウイルスは、発症後も治療期間が長期化するという話も。

賀来満夫 東北医科薬科大学特任教授:
N501Yの場合、伝播性が高いため体の中に入るウイルス量が多く、短い日数で重症化しやすくなる。高齢の方は人工呼吸器をなかなか外せず、その後のリハビリを考えると入院期間が長くなる。

都のワクチン打ち手マンパワー「まだ準備できていない」

鴨下一郎 自民党ワクチン対策PT座長

反町理キャスター:
ワクチンを打った人に対しては移動の自由や行動の自由について多少の融通をしてもよいのでは、という意見がずっと出ている。この点については。

鴨下一郎 自民党ワクチン対策PT座長:
打った人が動きやすい状況には必然としてならざるを得ない。しかし我々はそれを誘導しない。なぜならワクチンを打つ・打たないは任意ですから。

反町理キャスター:
東京都のワクチン接種態勢について。医師会との協力関係はスムーズに進んでいるのですか。

小池百合子 東京都知事:
ワクチンについては医師会からも全力であたるという決意も伺い、大変心強い。

鴨下一郎 自民党ワクチン対策PT座長:
東京都にはワクチン保管のためのディープフリーザー(超低温冷凍庫)のある大病院が多くある。そこにワクチンが滞留しないよう知事がしっかりと目を光らせてほしい。

小池百合子 東京都知事

小池百合子 東京都知事:
ワクチンについては全て、どこに運ばれるかがガチッと決まっていて番号が振られており、なかなか動かしにくいということがある。

鴨下一郎 自民党ワクチン対策PT座長:
河野太郎ワクチン担当相からは、かなり柔軟にやっていいという話があった。自治体が厚労省の最初の通達に縛られてしまい柔軟に動けない面がある。今はかなり柔軟にやりくりできるようになっている。

反町理キャスター:
ワクチンの打ち手のマンパワーは足りている? 歯科医や自衛隊の医官の手も借りるなどの話もある。東京都における確保状況は。

鴨下一郎 自民党ワクチン対策PT座長:
今の段階ではまだ準備ができていない。個別接種と集団接種をベストな形でミックスし、これから大量に入荷するワクチンをさばけるか。やってみなければわからないことも。

小池百合子 東京都知事:
区市町村が各地域の医療資源としての人材を確保している。今のところはまだ悲鳴は聞こえて来てはいないが、都のワクチンチームがバックアップ・調整をしていきます。

五輪開催のためのシミュレーションが進んでいる

小池百合子 東京都知事(画面)、長野美郷キャスター(左)、反町理キャスター

長野美郷キャスター:
東京オリンピックの開会式まであと100日を切りました。感染が再拡大しワクチン接種が十分に進んでいない今、本当に開催できるのでしょうか。

小池百合子 東京都知事:
日本・世界の状況も日々変わってきている。安心・安全な大会を開催できるようにするため、日々連携をとりながら進めている。

反町理キャスター:
やるかやらないかではなく、どのような形でやるのかを日々協議しているという理解でよろしいですか。

小池百合子 東京都知事:
その通りです。

反町理キャスター:
入場させる観客の数や、対策については。

小池百合子 東京都知事:
基本的には海外からの観客を入れないという方針を立てた。また、海外から来られる選手の方々には、プレイブックという行動指針のマニュアルがある。このブラッシュアップをずっと重ねている。

賀来満夫 東北医科薬科大学特任教授

賀来満夫 東北医科薬科大学特任教授:
観客数と安全性の関係を見るシミュレーションを行うプロジェクトなども進んでいる。よりしっかりと科学的にデータをとる。今、プロ野球やJリーグで進んでいる。これを参考にしていく必要がある。

鴨下一郎 自民党ワクチン対策PT座長:
オリンピックは、医学と科学の粋を集めて日本でしっかりとやる。これが世界に貢献することだと思います。選手の健康管理については選手村できちんと隔離し、毎日のようにPCR検査を行う。こうした管理はさほど難しくない。
観客については、体温を測ることに加えせめて抗原検査などを義務付けるような工夫をすれば、今の段階でもオリンピックは必ずできます

BSフジLIVE「プライムニュース」4月22日放送