「重症病床ひっ迫」吉村知事「遅らせる診療、けが、手術は?」国に議論求める

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大阪府の吉村知事が「めざまし8」に生出演。
7日、「医療非常事態宣言」を出すにいたった医療体制の厳しい現状などを訴えました。
語られたポイントは「既存ウイルスと変異ウイルスの明らか違い」です。
感染が急拡大した背景を次のように説明しました。

吉村知事:
3月下旬からいままで、感染速度が非常に速い。一気に急拡大しているという特徴があります。重症化も速度が速いとみています。3月の中旬以降から人出が増えて、飲み会の場面が一気にぐっと増えた。変異株の影響が確実に出ていて、感染速度が今までとは違います。「人の行動」と「変異株」が感染拡大に影響している。

さらに、重症病床がひっ迫しつつある点を踏まえ、国や医療界に対し要望しました。

吉村知事:
重症病床・ICUには限りがある。その中で、感染が急拡大したとき、いま言われている「例えば手術で急ぎじゃないものは延期せよ」という通達があるが、具体的にどういう診療内容やどういう病気は「ちょっと遅らせてでも、重症病床確保せよ」ということを、国や医師会の代表者が集まって、どういう基準で(重症者病床を)増やすのか、オープンな議論と決定をやってもらえれば。やるとものすごく批判はされます。だって、手術を遅らされる側、ものすごく大切な大事な病気なので反発くらうのですけど、国も医療界もやっていないことだと思います。

大阪の変異ウイルス調査 “重症化率髙い・重症化スピード速い・感染力強い”

大阪府では890人の変異ウイルス陽性者を分析しました。
吉村知事は、統計学的な正確性については留保した上で、こう話しました。

吉村知事:
変異株の影響は明らかにあります。感染速度は既存株より明らかに早い。これは現場で思います。食事のちょっとした会話、短い時間、いままでだったら感染しなかった事例で感染の報告を保健所から受けています。明らかに感染しやすくなっていることは間違いないです。重症化、感染力が早いのも間違いないと思います。10代はこれまで10%くらいの感染割合で、今は25%くらいあります。若い年代でも感染しやすくなっている。
変異株陽性者分析、約900人の中で分析すると、重症化が第3波では40代以上で5%、変異株では10%です。全体で3%ほどの重症者が変異株は5%の重症化率です。率が高いだけでなく、重症化する速度、これまで約8日だったものが、発症してから6日で重症化している、これはぜひ国立感染研で結果を出してほしい。大阪の変異株陽性者を分析すると、重症化リスク高い、重症化速度速い、感染速度早い。ほぼ間違いないと思っています。全国で変異株はみつかっていて既存株に置き換わるのは時間の問題。ここは警戒しないといけない。

緊急事態宣言の解除時期と感染急拡大の関係は?

谷原キャスター:
緊急事態宣言早期解除の影響はあるのでしょうか?

吉村知事:
解除は2月28日、そのとき、感染者はおよそ50人です。ステージ2まで落とし込んだ上での解除なので、基準を満たし専門家の意見も聞いて解除しました。3月中旬ころに人出が増えて下旬に拡大しいまに至っている。あのまま解除をせずにいると今の状況を免れていたのかというと、一週間後でも同じ事態になっていたと思う。同じ壁にぶちあたっている。

 吉村知事は、「最終的に火元は口元」だと指摘し、唾液が飛び交う環境での徹底した対策を求めるとともに、府民に対し不要不急の外出自粛を呼びかけました。

(めざまし8 4月8日放送)