新潟市中央区古町地区で長年営業を続けた百貨店・三越の閉店からまもなく1年。
中心市街地の核を失い、新型コロナウイルスの影響を受けるなか、前を向く商店主たちを取材した。

魅力的な商品と顧客に寄り添う接客でにぎわいをつくり出してきた新潟三越。その閉店から3月22日で1年を迎える。

この記事の画像(18枚)

飛田厚史アナウンサー:
三越が閉店し、新型コロナウイルス流行が重なったこの1年。変わらないもの、変わろうとしているものが古町には混在しています

新潟地下開発・岡沢修社長:
やはり三越(閉店)の影響は非常に大きい

三越と地下通路で直接つながっていた西堀ローサ。
2021年2月までの買い物客数は、新型コロナウイルスの影響もあり、前年度と比べると約65%に減少。
こうしたなか2020年9月には靴の専門店を誘致するなど、てこ入れに積極的。

客足が戻りつつある街

新潟地下開発・岡沢修社長:
古町ルフル・役所が入って平日昼間の人口が非常に増え、にぎわいを少し取り戻している

そのわけは、2020年4月  新潟市役所の一部機能が移転した再開発ビル・古町ルフルが開業。
その後、2020年10月に行われた2020年度の歩行者通行量調査では、古町周辺の日中の歩行者数が前年より増加に転じた。
人の流れの変化を読み、ビジネスマンなど日中の客にねらいを定めた。

新潟地下開発・岡沢修社長:
靴などそういったものが地道に伸びてきている。古町は新潟の昔からの中心地という自負があるので、この古町を盛り上げていきたい

西堀ローサでは46区画中、空きテナントとなっている残り3区画もすでに出店交渉中で、積極的に店舗の誘致を行っている。

富山洋傘専門店・富山善夫さん:
(傘の種類が)豊富にあるので「楽しい」と言われる

三越から300mほどの距離にある、本町六商店街の富山洋傘専門店。

富山洋傘専門店・富山善夫さん:
風で(骨が)2本折れたんですね

創業63年。豊富な商品と熟練の技による修理がこの店の特長。

富山洋傘専門店・富山善夫さん:
こんなふうにして、ベリーグッド

折れてしまった傘の骨もあっという間に元通り。
富山さんによると、傘の修理をメーカーに依頼した場合、通常2,000円程度かかると言うが、富山洋傘専門店では400円。

富山洋傘専門店富山善夫さん:
「三越のバーゲンで買った」と(修理に持ってくる)。「修理傘ばっかり持ってきて悪いから、買っていく」という方も中にはいた

三越がつないだ商店街と買い物客との絆が息づいていた。
地道な商売が実を結び、この1年の客数は前年比で10%減程度に食い止めることができているという。

なかにはこんな客の姿も…

ーーふだんの買い物は?

買い物客:
ネット

食事のため、たまたまやってきたという人も傘を購入。

買い物客:
見て買うのはいい。専門店なので色々なラインナップがある

ネット派の人にも商品と接客の魅力は伝わっていた。
こうして古町に行き交う人を増やすため期待されるのが三越跡地の再開発だが、住居と店舗を合わせた再開発ビルの建設には、完成に最低でも7年ほどかかる見通し。

廣瀬 不動産事業部・佐藤正人部長:
複合施設という形になる。街の人の声をどの程度反映させていくか、どういったテナントを入れていくかは精査中

商店街同士が連携して古町を盛り上げる

商店街もただ完成を待つのではなく、試行錯誤を始めた。
2020年9月、上古町商店街では市の補助金を使い、買い物客や地元住民などに独自のクーポンを配布した。

上古町商店街・迫一成理事長:
来てもらって「楽しかった」と思ってもらえるリアルなサービス、おもてなしを積み重ねてやっていく必要がある

触れてもらうためのきっかけづくりは、さらに広がりを見せている。
2020年11月には、上古町や本町を含む古町地区の8つの商店街が初めて連携し、「GoTo古町プロジェクト」を展開。
500円分のクーポンを配布し、抽選会を行うなど一丸となって取り組んだ結果、前川理事長は連携の手応えを口にした。

新潟中心商店街協同組合・前川周作理事長:
お客様からの評価が非常に高く、「今後もやってほしい」という声が商店街の中からも出てきている

今後は新型コロナウイルスの収束を見据えて、古町8番町・9番町の花街エリアを官民連携で、観光化するための仕組みづくりをする考え。

新潟中心商店街協同組合・前川周作理事長:
古町の特定の街区だけでなく横断的にみんなで一緒にやって、お客様を迎えられるような仕組みをつくっていきたい

新型コロナウイルスの収束後を見据えた古町の動き。
地元商店街や商業施設はもちろん、さらなる連携がカギとなりそう。

(NST新潟総合テレビ)