自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

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「お気に入りのテレビアニメ、なぜか何度も何度も同じ回ばかりくり返し見ている……ママもすっかりセリフを覚えちゃったけど、飽きないの?」

録画したアニメの同じ回だけくり返し見ちゃう子どもたち。お気に入りの作品は何度見ても面白い!という気持ちはわかるけれど、色々なものを吸収する時期の子どもたちに、パパママとしては違う作品もオススメしたくなっちゃうもの。そして何より、ずーっと同じものだけ見ていても飽きないの?

育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんに「同じものばかり見ちゃう子ども」の不思議について、お話を聞いた。


――「同じものだけを見る」…これってどうして?

子どもがある特定のことを繰り返す、本当によくありますね。基本的に、子どもに限らず、同じ行動が繰り返される場合、そこには「強化」というものが起こっていることが多いです。今回のようなケースは、その中でも「正の強化」というものが起こっていると考えられます。

用語として難しく聞こえるかと思いますが、実は私たちの身の回りでは頻繁に起こっていて、簡単に言うと「ある行動をしたらいいことが起こると、その行動は繰り返されやすくなる」という現象です。たとえば、あるYoutubeの番組を見て「楽しい」「面白い」という快感を得ると、それが、「また見たい」につながりますよね。

大人もそうですが、お笑い番組で芸人さんがやっている芸でも、オチが分かっているのに何回も見てしまうこと、よくあると思います。“オチが分かっているのに”ではありませんね。むしろ、“オチが分かっているからこそ”、また見て笑いたい、こういうことはけっこうあるのではないでしょうか。子どもたちも同じで、それを見ることで楽しくなれることが分かっていることは、やはり繰り返されやすくなるのですね。


――「別のものも見てみようよ!」と声かけしてもいいの?

もちろんいいと思います。それに興味を持つか否かはその子によりますが、子どもたちは、まだまだ狭い世界の中で自分の目に入るものの中で生活をしています。なので、今の繰り返し行動は「今知っている中ではこの番組が最高!」ということであって、全てを知った上でのチョイスではありません。ですので、実際には、もっともっと興味を持つ番組は世の中にいくらでもあるでしょう。

選択肢を広げてあげるという意味で、「別の物も見てみる?」と誘うのは良いのではと思います。今回のケースに限らず、子どもの選択肢の幅を広げてあげるのは、視野を広げることにつながるので、基本的にいい働きかけと言えます。


子どもたちが同じ物を繰り返し見たがるのは、それがすでに「楽しいもの」であることを学習しているから。
そのため、パパママが「これも面白いよ!」と別の物をオススメしてみるのもOK。これまでに学習したことの中から「これは楽しかった」というものをリピートしている子どもたちにとって、新しい世界がひらけるきっかけになるかもしれない。
 

――ひとつのものから、色々なものに興味が出るのは何歳ごろ?

これは年齢以上に、その子の性格が大きく関係していると思われます。もちろん1歳、2歳の子であれば、親が見せてくれたものが全てなので、そこにはまっていくことが多いかもしれませんが、それ以降は、持って生まれた性格の方が影響し、同じ物を繰り返し見るよりも、色々な物を見てみたいという子もいれば、その逆もいるのが実態ではないでしょうか。

同じ物というのは、その子にとって“なじみのある刺激”です。色々な物というのは、その子にとって“新しい刺激”になります。性格的に、なじみのある物が好きなのか、新しい物が好きなのか、このあたりが「同じ物を見たい!」「新しい物を見たい!」という行動傾向の違いとして現れてくることが多いように思います。

子どもは目新しい物がなんでも大好きというイメージもあるかもしれませんが、実際には“新しい刺激”が苦手な子もかなりいます。たとえば、新しい場所が嫌い、新しい人が苦手、思い当たる親御さんもいらっしゃるでしょう。もちろん、新しい場所や人は苦手だけど、新しい物は好きというお子さんもいると思いますが、わりと行動傾向というのは一貫しており、慎重な子は様々な場面で慎重だったりすることが多いものです。

親側もその辺りを分析しながら接するようにすると、「うちの子にはこれくらいの刺激がちょうどいい」というのが見えやすくなるかもしれません。

あなたの体験が漫画に!エピソード募集

「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。

・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?

などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?
あなたの体験が漫画になるかもしれません。

※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

今回のまちがいさがしの正解はこちら!

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)