4月に開校する高知県立夜間中学に閉店したバーのグランドピアノが寄贈されることになり、搬入作業が行われた。
コロナ禍でバーが閉店…グランドピアノが行き場を失う
高知市追手筋の一角。ここには「BAR KILALA」という店があったが、2020年12月に閉店した。

店のシンボルだったのが、1台のグランドピアノ。
行き場がなくなってしまったこのピアノを、もっといろんな人に楽しんでもらいたいと、元オーナーの西原竜生さん(32)が、4月に開校する県立夜間中学校に寄贈することにした。

「夜間中学校」とは、戦後の混乱や経済事情などで十分学校に通えなかった人たちが“学び直す場”で、県内では初めて公立で設立される。

「BAR KILALA」西原竜生元オーナー:
このピアノを使って、音楽を通して人生が変わるとか、そこまで大きなものではないかもしれないですけれども、少しでもそういった方々のお役に立つことができれば本望です

グランドピアノは店の中心的な存在だった
高知市出身の西原さんは、3年前に東京から高知へUターンすると同時に、母が経営していた「BAR KILALA」を引き継いだ。
飲食店で働いていた経験を生かし、赤字続きだった店を1年で黒字に戻したが、新型コロナウイルスの影響もあり、結局、2020年12月に店を畳んだ。

グランドピアノは15年前の開店時に、客が代金を出し合って買った中古のもので、度々演奏会が開かれるなど、店の中心的な存在となっていた。

「BAR KILALA」西原竜生元オーナー:
とても、うちのお店にとってはかけがえのないものでしたね。このピアノのおかげで、たくさんの方々に来ていただいたっていうのもありますので、そういう思いでは今回、引受先がちゃんと見つかってとてもよかった

引っ越し当日「すごく寂しく…」 夜間中学校の校舎へ
3月8日の引っ越し作業では、ピアノの脚は取り外され、鍵盤部分だけの状態に。傷つかないよう、しっかりと梱包(こんぽう)し、ひもで固定する。19メートルの高さのクレーンでつり上げ、窓から運び出す。

その様子を西原さんは、外から見守っていた。
「BAR KILALA」西原竜生元オーナー:
無事に運び出されてよかった。今になって、外に出た瞬間から、すごく寂しくなってきました

無事地上へ降ろされると、トラックで県立夜間中学の校舎となる高知江の口特別支援学校へ。音楽室に運び込み、再び脚やペダルを付けて設置が完了した。
4月26日に開校を迎える高知県立夜間中学校で、再び人と人をつなげる音を紡いでいく。

(高知さんさんテレビ)