ニック・ファジーカスが戦線復帰

「復帰して早々に33得点ということでさすがだな、という試合でした」
川崎ブレイブサンダースの佐藤賢次ヘッドコーチ(41)は試合をそう総括した。

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指揮官が「さすが」と語るのは腰痛で3試合に欠場、この日から戦線復帰したニック・ファジーカス(35)のことだ。207センチながらも派手なダンクは見せない。いつでも淡々と正確な軌道のシュートを放ち続けるチームの大黒柱だ。日本国籍を取得し、日の丸を背負う代表選手でもある。

残り6.9秒の劇的決着!決めたのはファジーカス

ホームで新潟アルビレックスBBを迎え撃った川崎ブレイブサンダース。

序盤から新潟のベテラン五十嵐圭(40)に3本の3ポイントシュートを許すなど、苦しい展開を強いられる。

©B.LEAGUE
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しかし、川崎は徐々に点差を詰める。「今日はタッチが良かった」とファジーカスが柔らかなシュートタッチで次々と得点を重ね、第3クォーター残り4分6秒に51-51の同点に。
さらに残り3分にもファジーカスが3ポイントライン一歩手前からジャンプシュートを沈め、逆転に成功。60-59で最終クォーターへ。

1点リードで迎えた最終クォーターは互いにリードチェンジを繰り返す展開に。均衡が崩れないまま、77-77で迎えた残り6.9秒だった。

藤井祐眞(29)からパスを受けたファジーカスが決勝弾を沈め、79-77。最後はチームの大黒柱が接戦にけりをつけた。

2月27日の横浜戦のウォーミングアップでシュート練習をしていた時、着地と同時に腰が痙攣し固まったというファジーカス。タクシー乗り場までの100mが歩けず、無限の距離に感じたという。試合後の会見で「試合に戻って来られてよかった。負傷を理由に出場時間を制限されるのは嫌だったが、佐藤HCが信じて試合に出してくれたので、32分間良いパフォーマンスができた」と振り返った。

一方、接戦を落とした新潟の五十嵐は「大事な時間帯でディフェンスで踏ん張れなかった。今日のようにクロスゲーム(接戦)で自分たちがもう一歩上に行くためには、ディフェンスの我慢とリバウンドなど細かい部分での徹底が必要。それができればチームとして成長できる」と次戦を見据えた。

川崎ブレイブサンダース 81-77 新潟アルビレックスBB
(3月6日・川崎市とどろきアリーナ)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。