英語に自信のない人はもちろん、逆に苦労して英語を身につけた人にも気になりそうなニュースが飛び込んできた。

自動翻訳を手掛ける株式会社ロゼッタは、3月1日から全社員に英語で話すことを禁じる「英語禁止令(外国語禁止令)」を発令した。
今後はロゼッタのグループ全社全部門において、社内外の外国人と話をするときは、日本人社員の外国語を禁止し、同様に外国人社員の日本語も禁止されるという。
 

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今回の禁止令はロゼッタグループのMATRIX社が、VR空間やPC・スマホで使うリモートミーティングにAI翻訳機能を組み込む実験に成功したことを受けたもの。

この機能を用いると、例えばミーティング中に日本語で発言すると自動的に文字として表示され、すぐさま英語や中国語の文字に翻訳される。
日本人から見るとミーティング中の英語や中国語の発言は、全て自動的に日本語の文字に翻訳されて読むことができる。

MATRIX社はこれを「言語フリー」と表現しており、どんな会話が行われるのか分かる動画も公開。ロゼッタグループの英語禁止令では今後、母国語が異なる者同士の会話は、この「言語フリー」部屋で行うように指示している。
ただし、本当に外国語をネイティブ並みに話せる人については、代表承認を得ることで外国語を話すことを例外的に許可するそうだ。

ロゼッタ社は2004年に機械翻訳を開発するため創業し、AIやクラウドなど様々な技術を用いた翻訳サービスを展開。2020年10月からは仮想空間に本社機能を移したVRオフィスをスタートし、以降の集合研修や決算説明会などにVR空間を活用している。

今回発表した英語禁止令では、「我々はついに言語的ハンディの呪縛から解放されました。」「長年に渡って人類を分断し続けた言語の壁は、今ここに崩壊したのです。」など熱い思いが綴られている。
 

英語禁止令(一部)

英語を社内の公用語とする会社もある流れの中で、語学に自信がなくコミュニケーションに苦労していた人には朗報だろう。
2020年2月末時点でロゼッタグループの全社員数は261名だが、英語禁止令はどう受け止められているのだろうか?また翻訳精度はどのぐらい高いのか?
担当者に聞いてみた。
 

社員の多くは狂喜乱舞で喜んでいます

――「言語フリー」は精度など会話にまったく支障がない?

もちろんタイムラグはあるし、精度も完璧ではありません。
しかし中途半端な語学力でやる方が頻繁にミスコミュニケーションが起こり、はるかに支障があるので、言語フリーによって、逆に本当の相互理解になり、圧倒的な生産性向上につながります。
 

――「言語フリー」は外国語が母国語で表示されるけど、音声化はしない?

音声出力の分だけタイムラグが増えるだけなので、今のところは必要性がないので音声化は考えてません。
やろうと思えばすぐできます。
 

――禁止令で、日本人社員・外国人社員の反応は?

多くは狂喜乱舞で喜んでいます。
元々外国語に自信があった人達は黙ってますが、内心面白くないと思っていると想像します。
 

――逆に、英会話を主とする会社についてはどう思う?

言語フリーのテクノロジーがない状態では、普通にあり得る選択の一つだったと思います。国際ビジネスの公用語は英語ですから、グローバルを志向する会社が国際公用語を社内公用語にするのは当然のことと思います。
 

――隠れて外国語を使ったのがバレたらどんな罰がある?

処罰はありません。
言語フリー部屋を使わないで、外国人とのコミュニケーションができず、仕事の生産が落ち、時代に取り残されていくのが実質的に十分な罰になるからです。
 

現在、MATRIX社は「言語フリー」スペースを一般に提供する準備を進めており、サービス開始は5月ごろを予定しているという。2人で10分以内なら無料で、それ以上の場合は最低月1万円からの有料サブスクリプションになるそうだ。

翻訳機能が進化すれば、こういう考え方もありだと思えるが、世の中がグローバル化する中で今後はどちらに進んでいくのだろうか。