災害はいつ起こるかわからない。いざという時に備え、必要な食料や生活必需品を防災リュック(防災非常袋)に準備している人もいることだろう。

そんな防災リュックの中身について、改めて見直すきっかけをくれた投稿が話題になっている。

唐突ですがお願いがあります
先日の大きな地震で、大規模停電が発生しました…忘れて欲しくないので今一度「災害時の地図について」お伝えさせてください。
防災バックの中に「ご自宅付近の地図」必ず入れておいてください!

なんなら当社の地図でなくてもいいです、おねがいします。

災害発生時において地図はとても大事な情報源ですが、停電時のスマホの電源は非常に貴重です。 スマホでの地図使用は極力控え、ニュース等「最新情報の取得」に活用してほしいんです

このように投稿したのは、地図の開発や販売をしている株式会社ゼンリン(@ZENRIN_official)。

10年前の東日本大震災などの経験から、2月13日に起きた福島県沖での地震では、防災リュックを背負ってすぐに家から逃げたという人もいたことだろう。そんな災害時に役立つリュックの中身の一つとして、「自宅付近の地図」が大切だというのだ。

(画像はイメージ)
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最近は地図をスマホで見ることも多く、“紙の地図を準備”している人は多くなかったようで、投稿には「地図は全然頭になかったです。ありがとう」「正直、盲点でした。防災バックに常備しておきます!」「カバンに入れます!」などとコメントが集まり、1万3000いいねがついている。(3月5日時点)

「携帯ラジオ」や「懐中電灯」は非常持ち出し品のチェックリストに必ずあるが、たしかに「自宅付近の地図」はリストで見かけないこともあるかもしれない。

また“自宅付近”であれば、生活圏であることから地図がなくても問題ないような気もする。どうして地図が重要なのか、投稿したゼンリンの担当者に詳しい話を聞いた。

地図を提供する企業として投稿

ーーなぜいま投稿した?

3.11から10年が迫ろうという中で、先般の福島・宮城を震源地とする震度6強の地震ならびに各地で発生した大規模停電の状況を見て、地図を提供する企業として今一度災害時における地図の使用について、ふと伝えたくなってツイートいたしました。


ーー防災リュックに地図を入れていない人は多い?

そんなことはないと思いますが、定期的にバッグの中身を点検しなければひと昔前の地図だったり、環境変化により「スマホに地図あるからいいや」となっている方は少なからずいらっしゃるとは思います。

(画像はイメージ)

ーーなぜ地図を入れておくことが大切なの?

「安全に落ち着いて避難ができること」に限ります。避難所までの最短ルートを頭の中でイメージできていても、家屋の倒壊等により万が一その道を通れなかった場合、代替ルートを考える必要があります。そんな時に地図を使用する事で、冷静に落ち着いた避難が可能になります。

「それならスマホの地図を使えばいい!」という考えの方もいらっしゃると思いますが、スマホは災害時の数少ない情報収集手段となる為、充電を温存する必要があります。また、災害時にはオンライン機能を使用できなくなる可能性もある為、紙の地図を準備しておくことは大切だと感じております。

災害時はスマホの充電を温存しておく必要も(画像はイメージ)

「防災目線で必要な情報を地図に記載する」が大事

ーー地図は入れておくだけでいいの?

大変重要なところです。大事なのは「1度散歩をし、防災目線で必要な情報を地図に記載する」だと思います。

倒れそうな木、氾濫しそうな川、倒壊しそうな建物など、自分の家の周りの危険情報を予め地図に記載しておくことで、災害時の避難ルートが変わってきます。災害時のみならず、「身の回りの安全を確認する」ためにも、地図をご活用いただければと思います。

事前に1度散歩をし、防災目線で必要な情報を地図に記載(画像はイメージ)

ーーなぜ自宅付近の地図がいい?

日常に災害発生時のことを意識して生活することはほぼありません。実はそれが一番危険です。避難場所まではここが近道!としても、そこに倒壊しそうな家があったら…日常の情報が災害時に役立つとは限りません。

社内の防災意識にも少し変化が…

ーーおすすめの地図はある?

まずは各自治体から配布されている「ハザードマップ」はぜひ入れておいてほしいです。(等高線や道路などの情報が、詳細に記載されている場合が多いです)ただ、これは市区町村レベルになり、地域レベルの詳細な情報を得る為にも、居住地周辺の詳細な地図も加えて備えておくことをお勧めします。


ーー冊子と紙1枚の地図だとどちらが良い?

一目をとるなら1枚図をおすすめします。ただしエリアが限られていると思いますので、用途次第ですが情報量の多い本タイプもありですね。

フジテレビ本社付近の地図(提供:株式会社ゼンリン)

ーー防災リュックの他では、どんな場所に地図を置いておくといい?

もしバッグに入らない場合も、玄関に置いておくなど、災害時にパッと持ち出せる状況を作っていただければと思います。


ーー投稿で社内にも変化があった?

どうやら社内の防災意識もこのツイートによって少し変わったようで…(笑)
地図はもとより、防災グッズを改めて見直したという社員がちらほらおりました。

(イメージ)

ーー投稿が話題になったが、どう感じている?

なにより、みなさんが地図に限らず防災のことについて改めて考え見つめなおしていただく時間がとれたことに安堵しています。また、実行していただけるとツイートした甲斐があります!


ーー反響はあった?

「なんなら当社のじゃなくてもいい」とツイートしましたが…、当社の自主防災マップのお問合せはとても増えたと聞いています…。ですが今回はそこが目的ではないので、みなさんが必要と思う防災グッズの見直しに努めていただければと思います。


なお同社によると、地図は「都市部で毎年、それ以外の地区は場所にもよりますが2~5年に1回の更新」しているという。「一度準備したらおしまい」ではなく、他の持ち出し品と一緒に定期的にチェックすることも重要だ。

この機会に、今一度備蓄している防災用品の確認や、まだ準備していないという人は防災リュックを準備してほしい。
 

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