今一度確認したい「チェックリスト」

2月13日に宮城・福島で震度6強を観測した地震が発生した。
東日本大震災から10年という年に、改めて防災意識を高めた人も少なくないだろう。

非常食や衛生用品などを詰めた「非常持ち出し袋(非常袋・防災袋)」を家に置いているという人もいると思うが、コロナ禍のため、感染予防も忘れてはいけない。

改めて、今準備しておきたいアイテムについて、阪神・淡路大震災を機に設立された防災研究機関「人と防災未来センター」が公開している「減災チェックリスト」を元に、その中身をチェックしてみてはいかがだろうか。

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この「減災チェックリスト」は、被災経験者を含む「人と防災未来センター」の職員・ボランティア・スタッフからなる防災グッズ委員会によって検討・立案されたもの。

リストによると、被災した日に命が安全なところに逃げる際「これだけは持っていたい」という最低限の備えである「非常持ち出し品」に分類されるのは、以下の品物だ。

・バッグ(非常持ち出し袋本体)

【飲食物】
・1人あたり1.5L程度の飲料水
・チョコやキャンディーなどの携帯食
・乾パンなどの非常食

【装備品】
・ヘルメットや防災頭巾など頭を保護するもの
・作業用手袋
・運動靴
・懐中電灯(予備の電池・電源も)

【道具類】
・万能ナイフ
・10m程度のロープ

【情報関連】
・携帯ラジオ(予備の電池も)
・連絡メモ
・筆記用具(油性ペン)
・身分証明書のコピー
・10円硬貨を含む現金

【救急用品】
・救急用品セット
・毛抜き
・持病薬や常備薬

【衛生用品】
・マスク
・簡易トイレ
・テッシュペーパーやトイレットペーパー
・ウェットティッシュ

【防寒具】
・使い捨てカイロ
・サバイバルブランケット

【汎用品】
・タオル
・安全ピン
・ポリ袋
・レジャーシートやブルーシートなどのビニールシート類
・ライター(マッチでも)
・布ガムテープ

【その他生活用品】
・ポンチョや雨合羽などの雨具
・インスタント食品や缶詰などの保存食類
・ふろしき
・予備電池(バッテリー)
・新聞紙や段ボール

出典:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター
出典:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター

一見、かなりの量があるように思えるが、ひとつひとつはそれほど大きな物ではないため、少し大きめのリュックなどにまとめて入れておけるだろう。

また、これらは「1次の備え」として、ここから

・「非常持ち出し品」の中でも携帯できるもの「0次の備え」
・ライフラインが途切れても何日間かしのぐための「2次の備え」

をさらに考える必要があるという。

普段使っているバッグの中に入れたり、ポケットに入れて持ち歩きたい「0次の備え」は、「1次の備え」の中にもある飲料水や携帯食、携帯ラジオなどに加え、

・ホイッスル 
・携帯電話(充電器やバッテリーも)
・大判のハンカチや手ぬぐい 


など。

例えばペットボトルや水筒、ちょっとしたお菓子やメモなどは普段から持ち歩いているという人も多いだろう。
非常持ち出し袋の中に入れておきたい飲料水の量は1人あたり1.5L程度だが、「0次の備え」としては1人あたり500mL。
携帯ラジオも非常持ち出し袋に入れておくのはスピーカー付きのタイプのものが好ましいが、常に持ち歩くのは携帯性を重視した小型のものが良い。懐中電灯も持ち歩きに便利なミニライトなどでOKだ。

こまかなチェックリスト(出典:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター)
こまかなチェックリスト(出典:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター)

「2次の備え」に分類されるのは、ライフラインが途絶えてしまい、助けの手が届かなかった場合、何日間か自給自足するための品物。

こちらは飲料水や非常食などに加え、

・衣類
・紙製の食器
・ラップやアルミホイル
・カセットコンロ
・石けん
・ろうそく
・地図


など、衣食住を安定させるための品物が多く含まれる。
また、飲料などの消耗品は少なくとも3日間分を確保しておくと良いという。

これらの他にも、予備の眼鏡やコンタクトレンズ、女性の場合は生理用品、乳幼児がいる場合は紙おむつなども個別に検討してほしい。

そして大切なのが、これらの用品を用意してしまい込んだままにせず、チェックするということ。

人と防災未来センターでは「1年に2回はチェックしてほしい」と呼びかけているが、その際

・飲料や食品の賞味期限、薬品や電池などの使用期限をチェックする
・保存食品は交換の際に試食する
・季節で変わる衣服などの必需品を取り換える
・一度チェックしたら次のチェック日を決めておく


ことを呼びかけており、衣服を取り換える春・秋の2回にチェックを行ってほしいとしている。

コロナ禍の備えは「除菌シート」や「体温計」も

そしてコロナ禍で気になるのが、避難時の感染症対策。

非常持ち出し袋の中に入れておくべき衛生用品は、マスク・簡易トイレ・テッシュペーパーやトイレットペーパー・ウェットティッシュが挙がっていたが、これに加えて

・予備のマスク
・アルコール消毒薬や除菌シート
・ペーパータオルや液体せっけん
・体温計
・筆記用具
・ゴミ袋やビニール袋
・上履きやスリッパなど


を用意し、避難所で物を共有しないようにすることが、これからの新しい災害への備えだという。

自治体向けの避難所運営の手引きの中では、液体せっけんやアルコール消毒液・ペーパータオルなどといった衛生用品の調達に関する記載があるが、「避難者個人のマスクなどの衛生用品は持参を基本として周知する」という注意書きもある。
まずは自分自身の感染予防をすることが、避難所の感染リスクを下げることにつながる。

先日編集部で紹介した、日本赤十字社が発表した「災害の記憶と災害意識の変化に関する実態調査」の中で、「災害の備えをしている」人は東日本大震災の被災地(岩手、宮城、福島)の居住経験者の中でも67.0%。、主要都市(東京、愛知、大阪、福岡)に住む人では半数以下の49.3%という数値が出ていた。

現在はマスクや消毒液の予備を持ち歩く人も増えたと思われるが、非常持ち出し袋の中にもきちんと入れておくことが、コロナ禍の防災の備えとなる。
「減災グッズチェックリスト」は、人と防災未来センターの公式サイトからダウンロードすることができるため、今一度、自宅や職場での備えをチェックしていただきたい。
 

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