多くの飲食店が時短営業を余儀なくされている影響で、高級魚の価格が大幅に落ち込み、漁業関係者の生活に暗い影を落としている。
玄界灘に浮かぶ福岡市西区の玄界島。人口500人ほどのこの島の中心は漁業。

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漁師・久保田健嗣さん:
クエとかになったら大きい。20kgとか30kgとか。そういう魚を自分で実際に獲りたいとずっと思っていたけど、今の状況だったら良い魚を捕ってきても、結局、お金にならない

玄界島の漁師、久保田健嗣さん。2020年12月、念願だった自分の船を持ち、漁師として独り立ちしたばかり。

久保田健嗣さん(当時15歳):
島の人が、みんな顔見知りとかで仲がいいし、魚もいっぱい獲れるし、緑もあるし、言うことが殆ど無いような島だから(好き)

15歳のときの久保田さん。玄界島で生まれ、当時から漁師になることが夢だった。
高校を卒業してからは、漁師としての独り立ちを目指して叔父の船で働いた。

2020年12月、久保田さんの船「龍正丸」は、コロナ禍という荒波の中でスタートを切ることとなった。

価格が半分以下に…「船の分だけでも」

漁師・久保田健嗣さん:
漁のことも慣れないといけない中で、でも魚を獲ってこないと乗組員にも給料をやれない。でも魚が安いから困ったなって

船頭として乗組員1人の生活も背負っている。
クエやトラフグなどの高級魚一本で勝負しようと高価な機材を購入したが、全く使わないまま近場の魚を追う日々を送っている。

漁師・久保田健嗣さん:
設備まで入れたら、私の船で6,000万円いくかいかないかくらい。乗組員には給料を払わないといけない。私はただでもいい。船の分だけ返せればって思う

緊急事態宣言で飲食店が時短営業せざるを得ない影響で、トラフグやクエなど高級魚の価格はこれまでの半分以下になるなど大幅に下落。
玄界島にいる約100人の漁師の生活に大きな打撃を与えている。

漁業協同組合玄界支所・松田武治会長:
(2度目の)緊急事態の波の中に揉まれるようになりました。(漁に)行けば燃料は1万~2万はかかる。エサ代もサンマを使っているけど、そのサンマが、ことのほか高い

漁師・宮川幸大さん:
飲食店の人は補助があるからいいけど、自分たちははっきり言ってマイナス。乗組員に対して給料がやれないような状態

さらにコロナ禍は、漁業の将来にも影を落としている。

漁師・井上幸喜さん:
(小学生の)子どもは跡を継いでやりたいと言っているんですけど、今のこの状況じゃ考えどころ。うちも代々続いてきた船だから、自分の代でつぶしたくないという思いはある

今、まさに岐路に立たされている福岡の漁業。
それでも島の漁師たちは、玄界島の将来を繋いでいきたいと考えている。

漁師・久保田健嗣さん:
玄界島は人口も結構減っているなかで、玄界島を活気づかせたい。逃げ腰じゃなくて、攻めの方に行かないと、弱音ばっかり吐いていてもどうもならない

(テレビ西日本)